課外自主活動で自分を磨く

Point 約750の課外自主活動団体に学生の半数以上が参加
Point 知識や技術を高めて、目標へ挑戦
Point 文武両道とチームワークで人間性を高める
Student's Voice

「命を救う」ことを誇るのではなく、
「事故をなくす」を目標に
~みんなが笑顔で遊べる海水浴場のために~

小野大助 さん(文学部3回生)
立命館大学ライフセービングクラブ 部長
(2009年10月5日掲載)

立命館大学のライフセービング部では、部員全員がライフセーバーの資格を取得し、関西の海水浴場を中心に、水辺の安全を守るために様々な活動をしています。
ライフセービングは、直訳すると「人命救助」ですよね。でも実は、「救助が必要な状況に追い込まないこと」が最大の使命なんです。子供たちに海での命の守り方を教育したり、海水浴場での怪我を防止するために浜辺のゴミ拾いもします。他にも、迷子を親御さんに引き渡したり、お酒に酔った人に注意を促すこともあります。そういう事故予防も広い意味では「救助活動」なんです。もちろん、事故は100%防げるわけではないので、救助が必要な状況では全力で救助・救命にあたります。
また、ビーチフラッグスなど、競技としてのライフセービングもあります。
競技をしながら実際に救助するスキルが上げられるという点が特徴です。

僕は長野県出身で、まわりに海もないですし、ライフセービングに関しては、名前を聞いたことがあるくらいでした。ただ、高校生の時に野球部に所属していて、練習中にひどい怪我をする人や、熱中症で倒れて救急車で運ばれる人を何人も見ていたので、救急や救命に興味はありました。それで、大学に入学してすぐの頃にたまたまライフセービングクラブのビラをもらった時、「これだ」と思ったんですね。即決でした。授業が始まって3日目には入部していました。

普段は、西京極アクアリーナや伏見港公園プールで救助に必要な泳ぎ方の練習をしたり、陸トレといって、軽く筋肉のトレーニングをしたりしています。それから、専用の人形を使って、心肺蘇生法の訓練をすることもあります。週末になると、和歌山の海へ行って、海や救助機材を使ってトレーニングを行っています。
7月になると本格的にシーズンに入りますが、僕らは毎年、和歌山県の片男波海水浴場、白浜海水浴場、三重県の阿児の松原海水浴場の3ヶ所で監視活動を行なっています。海の日から8月31日までは、クラブでそれぞれの海岸の近くに宿舎を借りて、みんなで共同生活をするんです。これはすごく楽しいです。じゃんけんで負けた人がご飯を作ったり、掃除や洗濯もみんなでするので、自然と仲良くなりますね。

監視活動以外にも、ジュニアプログラムを開催して子供たちに「自分の命は自分で守ろう、人の命はみんなで守ろう」と教えます。
9月にはライフセービングの大会が始まります。学生ライフセービング大会には毎年参加しています。ただ、僕たちは、競技で得たものが、海水浴場での活動に結びつくかを大切にしているので、競技の結果ではなく、ひと夏の活動結果を大切にしています。

ライフセービングって本当に楽しいんですよ。すごく一生懸命になれるんです。子供や地域の人とも交流できますし、他大学や社会人ライフセーバー達との繋がりもあります。そういった人たちと一緒に、「何も起こさない」という目に見えない目標に向かって頑張れるところに魅力を感じています。あとは、やっぱり感謝してもらえた時に「よし、頑張ろう」と改めて思います。
ライフセービングを通して「誰か特定の人のために頑張る」のではなく、「誰のためにでも頑張る」という姿勢を学びました。自分で考えて行動する必要な場面がたくさんあるので、人間的にはかなり成長できたと思います。
苦労といえば、日焼けしすぎるという事ですかね。基本的に楽しんで活動しているので、そう感じることはあまりないです。
海や川に行くみなさんには、寝不足、飲酒での入水は控えてくださいとお願いしたいです。事故に繋がってしまうと楽しくありませんから。ルールを守って遊んでほしいですね。

僕自身は、ライフセービングを通して様々な知識や技術が身についたので、救命の道を進みたいと思っています。もっと広い範囲で人命を助けることのできる仕事につきたいという思いもあります。
最後に、ライフセービングクラブとしては、「one for all, all for one.」を目標に今年も頑張りたいです。全員がレギュラーであり、全員がスタッフとして、無事故という目標を達成していきたいですね。海に遊びに来てくれた人みんなが笑顔で遊んで、笑顔で帰れるようにしたいです。

 

取材・文/橋本 夏(映像学部3回生)

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