課外自主活動で自分を磨く

Point 約750の課外自主活動団体に学生の半数以上が参加
Point 知識や技術を高めて、目標へ挑戦
Point 文武両道とチームワークで人間性を高める
Student's Voice

「出会いが生み出すチャンスは無限大」
活動を通じて広がる支援や文化の輪

谷本真那 さん(産業社会学部4回生)
「BEPPINE(べっぴん)」代表、「BAMP」所属
(2009年11月5日掲載)

私は産業社会学部で国際福祉を専攻する学生が中心となって設立した学生団体「BEPPINE(べっぴん)」と『楽しく、チャーミングでおしゃれなエコ』を目指した団体「Bloom Ability of Myself Project(通称:BAMP)」の2つの団体に所属しています。「BEPPINE」の設立は、友人たちとの会話がきっかけでした。大学で経済格差や社会問題について学び、友人たちとプレゼンを繰り返す中で「これらの机上の空論を現実世界で実現するか試してみたい」と思い活動を始めました。

主に、フィリピンのシンカラン村という漁村の支援と、スモーキーマウンテン(フィリピンの都市部にある巨大なゴミ集積場)での現地のNGOとの意見交換、若者グループとの交流です。モットーは「活動の資金は自分たちで稼ぎ、楽しみながらやること」。
日ごろはフリーマーケットに出店して、収益を活動資金にしています。出品交渉に行ったお店の方のアドバイスがきっかけで、今年3月からは一条通りで開催されるフリーマーケットにも参加し、地域貢献の機会も得ることができました。

「BAMP」は立命館大学の女子学生が結成した団体で、着物とエコを絡めた活動が特徴です。私は、高校時代にベルギーに滞在していた事があるのですが、その時、改めて日本文化の素晴らしさを再認識しました。衰退しつつある日本文化を見直して欲しいという思いで、昨年12月から活動に参加しています。
7月4日には、「昔ながらの日本のエコを見直す」をコンセプトに「京小町Summer」を京都国際マンガミュージアムで開催しました。ドレスコードは浴衣です。
当日は150名が来場されました。浴衣姿で芝生に座り、ジャズライブを聴くという企画が好評でした。
「BEPPINE」と「BAMP」、2つの活動の共通点は「日本という国のすごさを再確認してほしい」ということです。文化もそうですが、経済の面でも、1着の服を売った収益が現地の生活向上の力になることなど、日本が持つ影響力を多くの人たちに広い視野で見てほしいですね。

これまでの活動で一番印象に残っているのは、建設資金を集め、一昨年の3月にシンカラン村に完成した幼稚園の壁の塗装作業をしていた時です。ふと、描いた絵を毎日見る村の子供たちの姿を想像しました。「この子たちがどう育っていくのだろう」と考えました。「もしかしたら自分は今、他人の人生を左右する分岐点にいるかもしれない」と思うと、「中途半端にできない」と強く思いました。
支援活動は、ともすれば、驕りや価値観の押し付けになる危険がありますが、異文化を持ち込んでくる私達に興味津々の子どもたちと、温かい眼差しで迎えてくれる住民の方に見守られて活動ができ、とても楽しかったです。

活動を通して出会った方々が「谷本だから」と、私自身を見てくれている、認めてもらえていると感じています。そして、メンバーに信頼され、周囲の人もかわいがってくれます。資金集めなど、時にはうまくいかない事もありますが、どんどん広がっていく「人のつながり」が私を支えています。
また「BEPPINE」では、今年8月にスモーキーマウン・パヤタス地区とシンカラン村、マニラ市のマザーテレサの家に行きました。現地では、貯水層・浄水層のアフターリサーチ、子どもたちとのゴミ拾いと分別、環境教育、デイケアセンターの外壁の塗り替えや、若者との交流を行い、スモーキーマウンテンではLOOBというNGO団体や立命館大学の「アクセス」という団体を通して視察を行い、支援金を渡しました。
これまで私は2年間、開発支援を行ってきましたが、それが本当に正しいことなのか確信を持てずにいました。今回は、その疑問を解決するための活動でもありましたが、ここで同行した後輩から「100%正解といえる支援方法などないのかもしれないが、どうしたらいいのか分からないからやらないというのではなく、決して目を背けずにその問題と向き合うことでできる『アクション』を起こしていきたい」という言葉を聞きました。私は、こういう後輩の意見に後押しされて今の活動を続けているのだと改めて思いました。

また「BAMP」は、これまでの活動を振り返り、今後の活動方向を確認するため、一度休息を取りたいと考えています。今後は、自分たちのサイズにあった活動を続けて行く予定です。

もともと私は内向的な性格でした。ベルギーで言葉の壁にぶつかり、「このままではいけない」と、必死に社交的になろうとしたことや、自分の存在価値を見いせずに悩んだことが、その後の人格形成につながったと思います。大学では、常に前進することばかりを考えるようになり、「私」を見てくれる人との出会いが、自分の存在価値を見いだすきっかけとなりました。存在価値は自分で創造するものだと考えています。みなさんも一歩踏み出す勇気を持ってみてください。
「出会いは一度きりだとしても、そこにあるチャンスは無限です」これからも貪欲に出会いを大切にしていきたいです。

 

取材・文/大舘 匠(法学部3回生)

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