課外自主活動で自分を磨く

Point 約750の課外自主活動団体に学生の半数以上が参加
Point 知識や技術を高めて、目標へ挑戦
Point 文武両道とチームワークで人間性を高める
Student's Voice

「心をひとつに」
全員で勝ち取った勝利

井上拓哉 さん(産業社会学部4回生)
立命館大学 陸上ホッケー部 前主将
(2009年12月7日掲載)

立命館大学陸上ホッケー部は、今年6月に岐阜県各務原市で行われた第28回全日本大学ホッケー王座決定戦に出場し、優勝しました。去年、全日本選手権の方で優勝した時との大きな違いは、当初はメンバーの心が一つになっていなかったという事です。
今年は11人のメンバーのうち、5人がFIH MEN'S JUNIOR WORLD CUP*¹の日本代表選手に選ばれていて、本戦に出るメンバーが揃ったのは大会の2日前でした。世界を体験してきた日本代表の5人は、他のメンバーと練習してきたフォーメーションやボールのつなぎ方が違い、呼吸が合いませんでした。チームワークがとれないままに迎えた大会では、ボールがつながらず、個人プレーが目立つ展開となり、相手に先制を許してしまいました。特に今回は、周りの期待もかなり大きなものでしたし、そのプレッシャーと目の前の試合でうまくいかない現状が重なって、とても苦しかったです。

「このままではいけない」と思いながらも気持ちを切り替えられずに迎えた決勝戦。そんな時、試合前に監督がバラバラだった僕たちを叱咤してくれました。これがきっかけとなって、キャプテンとして自分のしなければならないことが明確になりました。試合直前のミーティングでメンバーにこれまで練習してきたことを活かしてみんなで優勝しようと伝えました。そこでメンバーの気持ちも結束。決勝戦では、早稲田大学に6-1で快勝し、6年ぶり2度目の優勝を飾ることができました。また、その後9月13日(日)に行われた第37回西日本学生ホッケー選手権大会でも、天理大学に3―3の延長戦の末、PS戦で5対4で勝利、優勝することができました。

私がホッケーを始めたのは、高校生になってからです。それまでサッカー部に所属していましたが、進学した高校で中学の時のサッカー部の先輩がホッケー部に所属していて、「やってみないか」と誘われたのがきっかけです。当時は、僕も同じ学年のチームメイトもほとんどが初心者でした。何も分からない状態です。先輩の試合を見て、自分で練習していくというのが基本スタイルだったので、自分でしっかりと練習をしておかないとついていく事ができず、朝練や練習後の自主練を必死になってしていましたね。毎日続く練習で苦しい時もありましたが、本気で「辞めたい」と思った事はありません。ホッケーをしている時は「楽しい」という気持ちの方が強いですね。

ただ、大学に入ると、すぐにこれまでの自分では通用しないことを知りました。高校生とは違い、スピードも体格も違いますし、練習の質も段違いだったので最初はついていくことすら大変で、技術もおぼつかず、先輩に怒られてばかりでした。その時は少し弱気になりましたが、ホッケーを始めてからずっと「ホッケーで優勝をしたい」という気持ちが強くあったので、「このままでは終わらせたくない」と、体格差を補うために筋力トレーニングや、技術をさらにレベルアップさせるために必死に練習しました。
ホッケーの魅力は、なんと言っても試合の緊張感と展開の早さ、スピード感です。僕にとってホッケーは、生活の一部です。なくてはならないものですね。練習がきつかったり、キャプテンとしてチームをまとめることに苦労した事もありましたが、そこから得られるものも多くあります。様々な問題を乗り越えて、続けて行くことで初めて、試合の駆け引きやスピード、その先の優勝を得る事が出来ると思います。大切なのは継続力。毎日の努力が大切だと思います。
また、陸上ホッケーは競技人口が少ないので、もっとたくさんの人に陸上ホッケーを知ってもらいたいですね。

 

*¹ 4年に一度開かれる、ホッケーの21歳以下の世界大会のこと。今年は6月7日から15日までマレーシア・ジョホールバルとシンガポールで開かれた。

 

取材・文/川口菜摘(経済学部4回生)

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