RS 学園通信 vol.129 座談会 立命館歴史探検隊 Student Report 時代を駆ける先輩たち
December 2000 INDEX

Wu-Fang
伍 芳さん
自由で明るい学風、そこで得た刺激が今の音楽活動につながっています
Profile

うー・ふぁん
9歳より古箏を習い始め、上海音楽学校中国民族楽器部を卒業後、 立命館大学産業社会学部へ。1996年に卒業、 今年の10月には4枚目のアルバム「伍芳」をリリースするなど、 古箏奏者として世界を舞台に活躍している。

 

 


海外で刺激を受け、
演奏者としての幅を広げたかった

 古箏に出会ったのは、9歳のとき。上海音楽団で歌手をしていた叔母からすすめられたことがきっかけでした。琴の余韻を残す響きを最初に聞いたときは、鳥肌が立つくらい美しいと思いました。5音階の独特な音色がとても魅力的だったんですね。いい先生に巡り会えたのも、古箏を好きになる要因だったと思います。
 その後、上海音楽学校に入学し、高校3年のときまで、古箏を中心に音楽の基礎理論などを幅広く勉強しました。
 日本に来たのは、1990年。「若いうちに、海外に出ていくべきだ」とは以前から考えていたことなんです。日本の大学で勉強をして、古箏の演奏活動も広げたいと思っていました。
 日本に来てまず、日本語学校で日本語を勉強しました。そのとき、大学へ行くなら立命館がいいのでは、とアドバイスしてもらいました。立命館の自由で明るい学風は、留学生にとっても学びやすく、評判のいい大学でした。じっさい、面接を受けたときも、とても親切に話を聞いてもらえましたし、キャンパスもきれいだったし、ここで学びたいと強く思うようになりましたね。
 1992年に立命館の産業社会学部に入学しました。私にとって、大学での生活は、日本社会を知る窓口でしたね。友だちや先生方とのコミュニケーションは、とても刺激的。母国である中国を客観的に見るチャンスにもなりました。
 たとえば、留学生対象の日本語の授業で、漢字の時間があるんですね。中国で使う漢字の熟語などは、日本と同じ意味、そして同じ漢字を使うのだと知ると、日本に対してそれまで以上に親近感がわいて、さらに日本が好きになりましたね。


自由な発想、広い視野を得たことが、
新しい音楽への挑戦へとつながった

 立命館での4年間が視野を広げてくれたと感じています。今、古箏の演奏者として様々な活動をするとき、自由な発想でのびのびできるのも、この大学での刺激や日本での生活が基礎になっているように感じます。
 日本では、異ジャンルのミュージシャン、たとえば、バイオリン奏者の方とセッションするなど、新しい音楽を創ることにもチャレンジしています。私にとって日本は、こうしたのびのびした活動ができる場です。これからも好きなことにどんどん挑戦して、世界中、いろんなところへ活動の幅を広げていきたいですね。
 たとえば、今「サラスバティー」というバンドを組んでいます。メンバーはインドのシタールと、古箏、バーカッション、エレキギターの4人の奏者。ときどきライブハウスで演奏しています。こうした活動もおもしろいですよ。
 でも、ミュージシャン、プレイヤーとしてはもっと上を目指したいので、一流の音楽を聴き、自分を冷静に、客観的に見直すようにしています。一流の音楽は、次の刺激を与えてくれます。最近は、曲に込められた心を、もっと熱く伝えたいと思うようになりました。
 私自身、大学で勉強して、日本を知りたいと思っていました。そして、幅広い音楽活動を続けていきたい。目標があれば、何をすべきか、何を学ぶべきか、自分で考えることができます。自分を見失わずに、成長していけるのではないでしょうか。
 ぜひ、自分のやりたいこと、目標を持って、自分で計画を立てて、大学生活を楽しんでください。大学生活で受けた刺激は、必ず次の活動に広がりを与えてくれると思います。


 
 
 
 
 
 
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