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角埜 恭央

研究科長挨拶

MOT教員 角埜 恭央 研究科長

テクノロジー・マネジメント研究科

角埜 恭央かどの やすお研究科長

京都大学工学部数理工学科卒業、京都大学大学院工学研究科修士課程(数理工学専攻)修了、筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士課程(企業科学専攻)修了。住友金属工業、マッキンゼー・アンド・カンパニー(日本・米国・韓国)、アクセンチュアを経て経営科学研究所を設立。EMUNI大学(スロベニア)客員教授。

研究科長挨拶

イノベーションで世界を変える

 現代は社会構造やビジネスモデルが大きく変化する時代の節目といえましょう。グーグルなどIT企業の巨大化やユニコーン企業の台頭において、多様なテクノロジーやイノベーションが原動力になっていることはいうまでもありません。

 立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科(MOT: Management of Technology;技術経営)は2005年に設立されて以来、「イノベーションで世界を変える」ことを目指して、様々な研究課題に対してMOTという科学のレンズを用いて探求してきました。ここでMOTとは、最新テクノロジーに代表されるイノベーションと、企業経営の成果や社会システムの進化などへの貢献とをつなぐための一連のマネジメントに関する学術領域です。

 しかし、米国で生まれたMOTを網羅的に研究するだけでは、イノベーションを経営の成果につなげることは難しいのです。グローバルで変化の激しい今だからこそ、“日本流MOT”の真価を問い直す時代が巡ってきたといえるでしょう。

 その“日本流MOT”を実践するためには、第1に、イノベーションによってどんな企業や社会にしたいのか、どんな世界を目指すのかといった、目標とする将来像についての創造力や構想力が求められます。イノベーションと将来の望ましい姿が互いに創発することも重要な点です。

 第2に、MOTの周辺で学ぶべき学術領域は多岐にわたります。工学や経営学などMOTの源流にある特定の学術領域だけでなく、統計や数理といった方法論についても学ぶ必要があります。したがって、MOTを実現するためには、最新テクノロジーから既存の学術領域までの知見を総動員する必要があるのです。

 ところが第3に、MOTの専門知識を深めるだけでは、企業や社会、世界を変えることはできません。実際に、企業や社会の現場で適用するMOTには、複雑な制約条件の中で最適解を探る実学の側面があります。また、テクノロジーやイノベーションを作る側と使う側の価値共創が求められます。さらに、それぞれの企業や社会には固有の文化・風土があり、組織を変化させるためには相当な時間と労力を要することが多いのです。

 したがって、グローバルで不透明な時代に、イノベーションで企業や社会を変え、世界に貢献するためには、MOTに関する専門能力のみならず、熱意や行動力、問題発見力、コミュニケーション力、倫理観、さらに一般教養といった基本的な人間力を兼ね備えることが重要です。

 立命館MOTは、関西唯一のMOT研究科として、先に述べた“日本流MOT”を実践するための研究・教育の環境を整備してきました。 すなわち、文理・産学・グローバルの多様なバックグラウンドを持った学生たちが、企業や社会に根ざす新たな研究課題を解決するために、世界の知のネットワークと連携しながら、自分のこれまでの専門分野を補完しつつ、仲間と学び合い高め合う場を継続的に提供しています。

 MOTの学生像別に将来のキャリア形成のためになることを整理すると、
・理系出身学生:マネジメントを視野に入れることにより、将来の活動域が格段に広がります。
・文系出身学生:問題の構造や機構を理解しようとする思考習慣は、人を動かす説得力に繋がります。
・社会人学生:日常業務の問題現象の背後にある本質について、熟考する機会になります。
・留学生:日本社会へのゲートウェイになり、日本語で論文を書く力は周囲からの信頼感を勝ち取ります。
さらに研究を深めたい学生のためには、博士学位を取得する道も開かれています。

 立命館MOTは、「イノベーションで世界を変える」という志を持って、学生や企業・社会の皆様と共に、教職員一丸となって挑戦して参ります。ご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。