研究科紹介

研究科長挨拶

実務課題を理論面から探求し社会人に新たな視点を示す

我が国は技術力は依然として高いものがあり、GDPに占める研究開発投資も他の先進国、新興国に比較しても高い水準を維持しています。しかし、失われた20年とも言われる経済の停滞の中で日本の国際競争力が低下しているという現実があります。

こうした原因のひとつには、高い技術力が競争力に結び付いていないということがあるとの認識から、技術を経営成果に結び付ける技術経営(MOT)の重要性が認識されるようになりました。今日、イノベーションは、単に新しい技術、製品、サービスを生み出すだけではなく、それを事業化し収益をあげることで持続的な競争優位をもたらすものでなければならないという考え方になってきています。

本研究科は、こうしたイノベーションを興し推進できるMOT人材の育成を目指して設立されました。そのため、企業戦略、マーケティング、ファイナンスといったマネジメントの基盤知識の上に、イノベーション・マネジメント、知的財産、技術戦略、R&Dマネジメント、オペレーションズ・マネジメント等に関する幅広い科目群を、体系化して提供し、理系学生、技術系の社会人のみならず、会社経営者、行政の政策担当者、留学生を含む文系学生など多様なバックグラウンドを持った学生のニーズに対応できるようにしています。

今日の社会は変化が速く、専門的知識はすぐに陳腐化し、ビジネスモデルは常に新しく置き換わっていく時代です。こうしたビジネス社会で成果を出すためには、常に技術、顧客ニーズの変化など、様々な環境変化に対する高い感受性と洞察力を持つことが重要です。また、様々なプレーヤーとの連携の中で、ビジネスを作り上げていくための人間力、交渉力、組織力などが必要となり、成功に至るまでの様々なリスクに遭遇する中で、成果が出るまで努力できる持続力も必要です。

本研究科では、技術、経営の幅広い分野に興味を持ち、社会に出て活躍したい学生や、実務上の課題を理論的視点から研究しレベルアップしたい社会人に、理論と実践力を身に着ける教育を目指しています。したがって、常に新しいことに興味を持ち、チャレンジする姿勢を持った皆さんに来ていただきたいと思っています。