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"ものづくりプロセス"のフィールドワーク
ー株式会社資生堂 大阪茨木工場の見学に行ってきました。

 製品生産と物流を担うサプライチェーンの拠点として、株式会社資生堂の大阪茨木工場が2020年12月に竣工されました。今回、MOTのフィールドワークとして、ものづくりの実践的考え方や手法を学びに、7月14日、28日に株式会社資生堂 大阪茨木工場資生堂ビューティーサイトにお邪魔しました。

阪急茨木市駅から見学専用のバスで約30分。田中邦明教授と院生十数名で、いざ最新鋭の工場へ!

  

スタンプラリーをしながら、資生堂のご担当者さまに工場内をご案内いただきました。
 

 工場内では、フロアを越え、建物間をまたぎ、倉庫に至る配送網が敷かれていました。原料を混合する製造釜はフロアを貫く大きさで、自動倉庫は奈良の大仏が12体入るとのこと。写真でお見せできないことが残念ですが、化粧品が、原料から、製品となり、梱包されるまで姿を変えながら文字どおり縦横無尽に、配送される景色に圧倒されました。

我らMOTの一団も、縦横に移動しました。               マテリアルハウス
  

資生堂ミュージアム                          ビューティーマルシェ
 

 一方で、院生の注目を集めたのが、現場で働く多くの人の手による作業です。人による作業工程では、人間の五感で品質を判定する官能検査が取り入れられていました。資生堂のご担当者さまのお話では、直接人の肌につける製品を扱うため、人の手を介すことにこだわっているとのこと。また、化粧品のパッケージもブランドの一つとして重きをおき、多様なデザインの包装に対応するため多くの人が配置されていました。複雑な制約がある中で機械と人の手による作業とでバランスをとる工夫がいたるところに見られました。設備は勿論のことですが、働く環境、作業員のコスチュームに至る細部まで安心安全で、高品質なものづくりを追求される姿勢が貫かれていました。

官能検査をゲーム形式で体験しました。
触覚検査。sampleと同じコットンを当てる。田中教授の挑戦!      嗅覚検査。感覚を研ぎ澄まして集中。

  

一番院生に人気だった色覚検査。色のグラデーションを順番に並び替える。順番どおり全てを並び替えるのは難しい。
 

院生からは、製品や製造過程だけでなく、製造フロア内に設置された電子あんどん(電子式生産管理表示板)に関する質問や、作業ラインで働く人のシフトや経験値などの質問が出され、製造現場でのマネジメントにも関心が寄せられていました。予想以上に従業員が多いという感想を持ち、高品質を保つためのコストにも目線を向けて、各々の意見を交わしていました。

今回の見学を通じて、同社が多くの人を惹きつけてきた理由の一端を知ることができました。院生は、MOTの研究を深めるとともに、職業観の養成にもつながる貴重な機会を得ることができました。資生堂の皆様、ありがとうございました。

ロボットによるルームフレグランスの充填操作を体験。こちらを記念にいただきました♪