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湊 宣明

研究科長挨拶

MOT教員 湊 宣明 研究科長

テクノロジー・マネジメント研究科

湊 宣明みなと のぶあき研究科長

研究科長挨拶

All for innovation, innovation for all.
すべてはイノベーションのために。イノベーションは皆のために。

立命館MOT(Management of Technology)は、技術経営とイノベーションを探究する大学院として2005年に誕生し、まもなく創立20週年を迎えます。この間、科学技術を基礎とした専門分野の技術・知識を戦略的にマネジメントし、イノベーションを創出できる人材の育成に努めてまいりました。修了生の数は既に898名(前期課程842名、後期課程56名)に達し、国内有数の技術経営大学院として持続的成長を遂げた成功例といえるでしょう。

なぜ立命館MOTは選ばれるのか。その理由は3つあると考えます。個性の尊重、多様性の確保、実践の重視です。

第一に、我々の大学院は、学生の個性を尊重し、個人がやりたいことを自由に探究できる時間と場所を提供しています。一般的な理系の大学院では教員主導で研究テーマを設定することが多いと思います。しかし、立命館MOTでは、原則として学生個人がそれぞれの問題意識を出発点として研究テーマを選択します。そのため、この大学院で扱うテーマは最先端の技術やビジネスから人間の感性、国際的な社会問題まで多岐にわたります。さらに、複数の教員がその研究を支援する指導体制は2005年の設立時から変わっていません。まさに学生の個性を中心に据えた大学院といえるでしょう。

第二に、我々の大学院にはきわめて多様な学生が集まっています。理系学生と文系学生、学部進学者と社会人経験者、日本人と留学生などが、講義中にグループを形成して学び合います。バックグラウンドの異なる学生がもたらす多様な価値観と知識が融合し、互いに刺激を与え合うことで、イノベーションの源泉となる斬新な発想が生み出されます。この融合環境を維持するため、研究室毎の独立した部屋と机を用意するのではなく、あえて大部屋方式を採用し、異なる研究室の学生が机を並べて自由に交流できるよう配慮しています。イノベーション研究の大家であるシュンペーターは「新結合こそが革新を生み出す」と主張しました。偶然の出会いや新しい組み合わせが自然に生まれる環境を大学院に作り出しています。

第三に、我々の大学院は、講義で理論としての知識を学ぶだけではなく、知識を実践で使う経験を重視した教育設計をしています。MOTの研究者・実務家であるクリス・フロイドは「テクノロジー(技術)とは知識そのものではなく、知識の応用化である」と述べています。つまり、知識を問題の解決に応用できるようになってこそ、テクノロジーをマネジメントしたと言えるのです。そのため、多くの講義では過去の実例を基にしたケーススタディーやグループ演習を行うほか、商品企画やサービスデザイン、新事業開発、生産管理、プロジェクトマネジメントを疑似的に体験する機会も豊富です。さらに、課題解決型長期企業実習(プラクティカム)では、今まさに企業等が実務で直面する課題に対して、チーム一丸となってソリューションを設計し、経営陣にプレゼンテーションする機会を得ることができます。イノベーションを興すための実践的なトレーニングがこの大学院にすべて揃っているといえるでしょう。

すなわち、立命館MOTは、価値観と専門性が多様に融合する環境で、個人がやりたいことを発見し、未来に向けて自己実現できる大学院として、これからも社会に貢献し続けます。大学院で学ぶことは、一定の金銭的・時間的・体力的な投資を要する、覚悟の必要な意思決定です。しかし、皆さんが経験する前期課程の2年間、後期課程の3年間は驚くほどのスピードで過ぎ去り、人生においてかけがえのない経験価値をもたらすと確信できます。我々の大学院で技術経営学という新しい学問に出会い、熱意にあふれた同級生と学び合いながら、それぞれの人生にイノベーションを興していただきたいと思います。

All for innovation, innovation for all.
(すべてはイノベーションのために。イノベーションは皆のために。)