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高校 森島理事長と高校3年生による懇談会を開催しました

2021.03.02

キーワードは“探究”と“自己肯定感”。生徒たちが語る行動の起こし方

 2月19日(金)、立命館守山高等学校で、森島朋三・学校法人立命館理事長と、立命館守山高等学校の3年生5名による懇談会を開催しました。この懇談会は、立命館守山の生徒たちがコロナ禍の中で、積極的に社会と関わりを持ち、さまざまなアクションを起こしてきた経緯や活動内容、活動を通して生まれた心情の変化や社会の捉え方などについて理事長と意見交換することを目的として行われました。

 冒頭、森島朋三理事長は、「時代の変化とともに、教育のありようも変わる必要がある。特に基礎学力に加え、探究心を持った人材をさまざまな形で育成したい。まさに今、学びの中心にいる生徒の皆さんが、どのようなことを想い、考え、そして行動しているのかを教えていただきたい」と述べました。

行動するきっかけは人それぞれ。大切なのは好奇心
トビタテ留学ジャパンのボランティア枠で留学を経験し、子どもたちの教育格差について研究する藪野絢菜さん(立命館守山高校Advanced Globalクラス)は、自分自身が行動を起こし、探究心が芽生えたきっかけを次のように説明しました。

「昔から積極的に何かをしてきたわけではないのですが、高校1年生の時にSDGsに出会ったことで、国際問題、特に貧困問題に興味を持ちました。そこで、私も何か行動できないかなと考え、トビタテ!留学JAPANにボランティア枠でカンボジアに1ヶ月間留学したんです。カンボジアでのボランティアを通して、貧困問題で苦しんでいる子どもたちの姿を目にし、教育の必要性について問いを立て、日本にも目を向け『日本の教育格差をなくすために―自己肯定感の向上を通して―』というテーマで探究を始めました」

その中で、行動するきっかけは、先生や友人の姿や対話の中で得た気づきだそうです。
「トビタテ!留学JAPANに参加すると決めた理由の一つは、友人がイギリスのプロジェクトに参加しているのをみて、インスピレーションを受けたことです。先生からもアドバイスをいただくことができ、対話を通して、自分がどういったことに興味関心があるのかを深めることができました。先生との出会いやそれを支える環境が、自分が行動するきっかけになったと思います」

硬式テニス部の部長で、もりやまキャリアチャレンジ最優秀賞を受賞した本多峰之さん(立命館守山高校Advanced Scienceクラス)は、これまで頼られることが多かった自らの立場に対して、疑問を抱いたことが行動につながったといいます。
「これまでクラブの部長やクラスの委員長などを経験してきたので、まわりから結構頼られることが多かった。変な感じですけど、先生に褒められてばかりだったなと思います。なので、逆に自分の強みや弱み、行動したいことがわからなくなっていました。もちろん、自分のアクションに対してついてきてくれる経験も楽しいですが、ついてこない人を引っ張るとか、自分の価値観と違う人と意見を交わす経験がなくて。
キャリアチャレンジやユネスコ委員会に参加したのも、自分の意見を他人と正面からぶつけ合って戦わせたかったからなんです」

「コロナ禍で自分自身をあらためて振り返ることができて、自分は“好奇心”が強い性格なんだと気づきました。その原点は、ボーイスカウトをしていた時にたくさんの自然と触れ合ってきた経験です。“童心”を忘れないことが大切だと思います。異なる価値観を持った方々との交流だけではなく、自分のことを知ることは、行動するきっかけにもつながります」

高校生小論文コンクール奨励賞を受賞した畠麻理奈さん(立命館守山高校Advanced Globalクラス)も、コロナ禍が今の自分にとって転機になったと話します。

「コロナ前にAIG高校生外交官プログラムに応募し、最終審査まで進んでいました。しかし、コロナの影響で合否が出なくて、すごく落ち込みましたね。そんな中、グローバルAPの探究活動の授業で、2年生で参加したRits Super Global Forum (RSGF)の経験を活かした活動ができないかと考えました。RSGFでは、世界各国や立命館附属校生と議論する中で、切磋琢磨できる友人ができました。このような機会を後輩にも作りたい、コロナ禍でも海外との交流を掛け合わせたプロジェクトを実施したいとの思いで行動し、海外経験豊富な友人とも協力したZoomでのディスカッションの場を開催しました。コロナ禍で経験した私の挫折、そこからの経験をまとめた小論文が、高校生小論文コンクール奨励賞という形になったのは嬉しかったです」

ユネスコ委員会、インパクトゼミ、グローバルAP。さまざまな仕掛けが守山にはある。
小学生の頃から、ロボットを自前で制作し、RoboCupジュニア2019で世界第3位にも輝いた富岡大貴さん(立命館守山高校AM理系クラス)は、文系・理系の生徒が垣根を越え、お互いの違いを理解し、混ざりあってプロジェクトを進める経験の中で実感したことがあるそうです。

「文系の友人とともにプロジェクトを進めるきっかけとなったのは、田辺先生に紹介してもらったインパクトゼミです。最初はあまり乗り気ではなかったですが、全く違う畑の人たちが集まることが徐々に面白くなって、考え方に違いがあることを感じました。インパクトゼミという環境、その活動を通して、文系理系の枠を超え、お互いの長所短所を補い合いながら進むことで、イノベーションが生まれることを実感しました。しかし、今は立命館守山の枠組みの中で自分が評価されることが多いことも認識しているので、現状に甘んじてはいけないと思っています」

地場野菜から地域活性化を目指して活動する片岡花乃さん(立命館守山高校Advanced Globalクラス)は、「授業でやらないといけない」環境が自分を変えてくれたきっかけになったといいます。
「私は、昔から活動してきたわけではなく、この1年間の授業を通して考え方や思考がかなり変わった人間です。そのきっかけはグローバルAP(Advanced Placement)の授業でした。私は、幼い頃から野菜や農業、それらを取り巻く産業に興味がありました。グローバルAPでは、自由にプロジェクトを作って行動することができたので、やりたいことをやろうと思っていました。
もともと、私は自分が何かチャレンジしたいなと思ったことでも、実際に行動に移すことが苦手でした。グローバルAP では、自分から先生に質問に行かないと答えてくれないという形態であり、自分が行動しないと、自分が変わらないといけない環境でした。その厳しさが自分を変えてくれたと思います。また、中間報告会もあることで、周りの仲間の意識の高さや、自分のプロジェクトのレベルなども比較することができてブラッシュアップすることができました」
グローバルAPは、先生やメンターらの存在、ファシリテーションが生徒らの自ら行動する力になっているようです。片岡さんは以下のように説明します。
「授業で何か社会課題を見つけないといけない場面で、(私の意見に対して)先生やメンターの大学生の方が一緒になって真剣に悩み、アドバイスしてくれる姿を見て、私にもできるんじゃないかという気持ちになりました。一人ひとりの思いや考えを受け止めてくださる先生や先輩がいたからこそ、私の自己肯定感が高まったと思います。自分を変えるきっかけとなった授業が守山にはたくさんあります」

さらに、本多さんも立命館守山が提供する授業について次のような特徴を語ってくれました。
「キャリアチャレンジやユネスコ委員会で価値観の違う人と意見を共鳴する経験ができ、価値観の異なるいろんな人と交流することが楽しいと感じました。立命館守山の先生は、自分たちの取り組みに対して、外部機関のコンテストを紹介、推薦していただけます。いろんな知識を積み上げることで、成長している実感がわいてきます」

行動・チャレンジすることで、自己肯定感が高まり、求められる存在へ
畠さんは、自分を変えるために行動する勇気を持つことが何よりも大切なんだといいます。
「立命館守山のさまざまな授業を通して、やりたいことが具体化でき、留学の意義が深まりました。学校で学んだことを海外で試すことができたのも大きな経験です。私は中学生の頃まで自己肯定感が低かったと思います。留学に行ったことで“自分は自分”であっていいということに気づくことができ、周りと比べることなく、たくさん行動するきっかけになりました。その結果、講演会やイベントにも声をかけていただくことも増えました。

“自己肯定感”と“探究” これからの時代に求められる教育のあり方
懇談会の最後に、森島理事長は“自己肯定感”と“探究”について次のように話しました。

「本日の懇談会で、皆さんはさまざまな重要なキーワードを挙げてくれました。それらは、口先だけではなく、皆さんの学びの中から生まれた、生きた言葉だと思います。たとえば、自己肯定感という言葉。これは、日本の教育・子どもたち全体に関わる論点です。もう一つが探究。探究という言葉には2つの意味があります。一つは探究心という心、つまり探究していくという志です。そしてもう一つの意味が、実際に社会に出て、探究したかどうかです。実社会で課題を克服しながら、ものごとを探究した経験が、他者理解につながり、他者理解が自己肯定感を支えるのだと思います」

急速な技術革新や社会情勢の変化に伴い、生徒を取り巻く環境はこれまで以上に多様に広がっています。そのような中、生徒に知識を“教える”という知識習得型の学びだけでは、生徒たちが主体的に考え、自ら行動し、社会課題解決につなげる“きっかけ”を創出するまで踏み込めない状況にあります。先生や大学生メンターらが生徒のファシリテーターになることはもちろん、企業や地域の方々と連携し、生徒の自己肯定感と探究心を醸成し、行動につながる働きかけを行えるかどうかが益々重要になるでしょう。立命館守山高校のさまざまなきっかけの場を創出する仕掛けに今後も注目したいと思います。