体験型短期留学プログラムGlobal Fieldwork Projectを実施

 9月1日~9月15日、主に低回生を対象とした短期留学プログラム「Global Fieldwork Project」(以下、GFP)が実施されました。GFPは、バンコク(タイ王国)、ハノイ、ホーチミン(ベトナム社会主義共和国)、シェムリアップ(カンボジア王国)、ペナン(マレーシア)の計5箇所で実施、学部の垣根を超え、総勢164人の学生がチームごとに研究テーマを設定し、派遣先の都市で約1週間のフィールドワークを行う体験型留学プロジェクトです。
 フィールドワークは、各チームに現地の大学生がバディとして同行することで、より現地に密着したものとなっています。
 この記事では、ホーチミンでのGFPの様子を紹介します。

ホーチミン市人文社会科学大学の学生のサポートを受け、ホーチミンを理解する

オリエンテーションの様子
オリエンテーションの様子
Ho Ngoc Phuong教授による講義
Ho Ngoc Phuong教授による講義

 ホーチミンでのGFPは、9月8日~9月14日の期間に行われ、総勢39人の学生が参加しました。ホーチミンは13チームに分けられ、各チームにはホーチミン市人文社会科学大学の学生がバディとして同行し、現地での調査をサポートしました。
 プログラム初日、ホーチミン市人文社会科学大学で歓迎会およびバディとの顔合わせが行われました。歓迎式では体を動かすリクリエーションが催され、当初はどこか緊張した面持ちだった学生にも笑顔が溢れるようになりました。
 学生たちは、フィールドワークに先立ち、University of Economics Ho Chi Minh CityのHo Ngoc Phuong教授による講義を受け、ベトナム戦争時の社会状況、ベトナム戦争後のインフレに苦しんだ時代から急速な経済発展を遂げている今日への軌跡、日本とベトナムの経済関係を学びました。学生から日本製のバイクがベトナムで広く受け入れられている背景を尋ねられたHo Ngoc Phuong教授は、ベトナム人にとってバイクは大切な資産であることを紹介したうえで、日本製のバイクは丈夫であり、故障した際に部品を入手しやすく、メンテナンスできる場所が多いことから、現在も日本製バイクが支持されていると解説されました。

ベトナムにとけこみ、ベトナムを理解する

 フィールドワークでは、学部を超えて3人1組のチームになり、ホーチミンの街に繰り出していきました。
 あるチームでは、ベトナム戦争がベトナム人にとってどのように記憶されているかを調査すべく、WAR REMNANTS MUSEUM(戦争証跡博物館)を訪れました。調査にあたり、チームの一員は、広島平和祈念資料館など、日本の戦争博物館とどのような違いがあるのかという視点で、熱心に展示物を観察しました。博物館内の展示物を見るにつけ、戦争の残酷さを紹介する写真や展示品を前に言葉を失いながらも、バディに展示物に関する説明を聞きました。
 フィールドワークを経験した学生の多くは、ホーチミンが想像以上に経済発展していることに驚いた様子でした。また、ホーチミンのマーケットをフィールドワークにした学生は、自立した女性が多いことに驚き、日本では知りえない現地ならではの体験に恵まれました。

イオンモール タンフーセラドン店を見学

 ホーチミンでは、イオンモール タンフーセラドン店を見学しました。GFPには、学生個人のフィールドワークだけでは経験できない、現地の日系企業の最前線を学ぶプログラムが組み込まれています。
イオンモール タンフーセラドン店はホーチミン一号店として2014年にオープンしました。店内を紹介いただいたイオン タンフーセラドン店イオンベトナム営業本部長の青野恵三氏は、発展著しいベトナムでは、近年多くの外資系企業が参入しており、その中で差別化を図り、現地の方に支持してもらうことが鍵になると語りました。また、青野氏は現地スタッフとのコミュニケーションにおいて、英語能力の重要性はもちろん、できる限り現地の言葉で思いを伝えることが現地スタッフとの関係構築につながると強調されました。そのうえで、現在もベトナムのTV番組を見ながら、ベトナム語を勉強していると述べられて、学生たちは言語能力を身につけることの大切さを感じるとともに、海外で奮闘する青野氏から大いに刺激を受けていました。

今後の飛躍に期待

 ホーチミンのGFPでは、今後の中長期の留学を視野に入れ、海外での留学経験を積もうとする学生、また、これまで海外経験が少なく、短期間であっても海外文化を深く知りたい学生などが参加しました。
 学生たちは言語能力のさらなる向上の必要性を感じる一方で、普段とは環境が異なる海外でのフィールドワークを通して自分たちが設けた研究テーマを明らかにする難しさとおもしろさを実感しました。

関連情報

NEXT

2019.10.30 TOPICS

教養科目「Basic Communication Skills」公開授業を実施

ページトップへ