理工学部・小西研究室が圧力駆動ソフトマイクロアクチュエータの高出力の曲げ運動を可能に

 理工学部の小西聡教授および小澤拓敏さん(2019年度 理工学研究科修士課程修了)は、圧力駆動ソフトマイクロアクチュエータに作動変換メカニズムを付加することで高出力の曲げ運動を可能にしました。

 小西研究グループではマイクロアクチュエータの研究分野において、ポリジメチルシロキサン(PMDS)などのポリマーを構造材料に用いて、柔らかくて柔軟なさまざまな形態のソフトマイクロロボットの研究を進めてきました。ソフトマイクロアクチュエータはその柔軟な特長により繊細さが求められる生物医学分野への応用が可能です。今回の報告は、作動変換メカニズムを付加することで従来のソフトマイクロアクチュエータでは達成できなかった高出力を可能にした研究成果です。

 本研究は、高出力の曲げ動作を可能にするために、ベースフィルム上に配置されたバルーン上に作動変換フィルムを付加し、ベースフィルムの裏面にはリブ構造を取り入れたソフトマイクロアクチュエータに関するものです。作動変換フィルムには非伸縮性と柔軟性を兼ね備えた厚さ25μmのポリイミドフィルムを用いることで、バルーンの膨らみ運動を曲げ運動へと変換します。ベースフィルムの裏面には厚さ400μmのSiリブを配置しています。作動変換フィルムを付加したソフトマイクロソフトアクチュエータは高出力となり、力密度として4.2mN/mm3を得ることができました。このようなソフトマイクロソフトアクチュエータは組織などを傷つけることなく確実に抑えることができるため、例えば医療現場において術野が狭い場合に有用なツールとなることが期待されます。

※本研究成果は、2020年7月21日に英国科学誌Scientific Reports(オンライン版)に掲載されました。

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