2020年12月、大阪いばらきキャンパス(OIC)所属の二つの団体が、①「国際理解をテーマにしたコンテンツ(動画等)の作成・提供」、②「異文化理解のためのオンラインでのアクティビティと交流」という二つの共同企画を地域住民の方を対象に実施しました。

 立命館大学では、学生同士が支え合い、互いの学びと成長を図る「ピア・サポート」活動に力を入れています。今回の共同企画を実施した二団体は、いずれもそれぞれの知識・経験を仲間や次世代へつないでいく学生ピア・サポート団体です。

 共同企画を実施した団体のうち「学生コーディネーター」(サービスラーニングセンター所属)は、学内の学生を地域やボランティア団体と繋げる役割を担い、本学学生の地域参加と学びをサポートしています。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響で、地域との橋渡しとなる活動を中止せざる得なくなりました。地域や学生のために「何かしたい」という思いと「何もできない」状況に葛藤するなか、外出自粛中でも自宅で楽しめる情報の提供などを目的にした茨木市の取り組み「#エール茨木」へのコンテンツ提供について、茨木市から話を受けました。また、茨木市の小・中・高校で実施されてきた「国際理解授業」も新型コロナウィルス感染症の影響で、ほとんどできなくなっているという課題も知ることになりました。学生コーディネーターでは「コロナに負けない、地域に元気を届ける」「国際理解を広め、多文化共生社会の創出」という視点から、二つの企画に取り組みました。

 もう一方の団体である「インターナショナルハウス レジデント・メンター」(略称 RM。OIC国際教育センター所属)では、立命館大学国際寮に住む留学生のサポートをはじめ、国際教育寮で実施する各種イベントの企画・運営において中心的な役割を担っています。以前から寮生と地域の方との交流イベントを実施してきましたが、新型コロナウィルス禍で活動ができなくなっていました。そうしたなか、学生コーディネーターからの呼びかけを受け、「留学生サポート」「国際教育」という視点から共同企画に取り組むことを決めました。

 両団体は、それぞれの視点から、「大学」と「地域」、「外国人留学生」と「地域」、そして「学生」と「学生」をつなげることを目標に、それぞれのネットワークを活用しながら、協力して企画準備を進めました。その結果、地域のプラットフォームを活用するなど、Withコロナ下における新たな社会貢献活動につながり、異なる価値観やバックグランドを持つ団体メンバーとの共同作業を通じて、参加メンバーそれぞれが視野を広げ、多様性の大切さを再発見することもできました。一人だけ、一団体だけでは得ることができない、ピア・サポートによる成長を実現することができました。

企画運営に参加した学生コーディネーターとRMの集合写真
企画運営に参加した学生コーディネーターとRMの集合写真

 当企画のアドバイザーである村山かなえ講師(国際教育推進機構、OIC国際教育センター)は、「誰も経験したことがない状況下で、学生ピア・サポーターたちが知恵を出しあい、互いに協力しながら、新しい企画を準備し、時間をかけてやり遂げることができたことが何より素晴らしく、胸を打たれた」と語ります。今回の企画では、国際理解をテーマとしたことで「どちらの団体の学生たちも、国籍や言語、文化などのさまざまなBordersを意識すると同時に、学生ピア・サポーターとして、自分に何ができるのかを問い続けながら、互いの強みを生かして企画運営をしていたのが印象的」であったとのこと。また、「何もできないと消極的になるのではなく、どんな時も自分たちができることを見出して行動に移すこと。そして、自分たちの活動がどのように学内外で役立つかについて真摯に向き合うことの大切さを、それぞれの学生たちが大いに学んでいる様子だった」と振り返りました。

 今回の企画を通じて、ピア・サポートに取り組んだ学生たちは、学内外のネットワークを生かし、広げながら、自分たちの新たな可能性を知ることができたようです。両団体のさらなる活躍を期待しています。

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