2016.06.10

ジュニアコーチングNO2(審判の役割を考える)


naoです

少年野球の試合観戦に行っていきました。
子供たちの元気な声、監督の声、応援席からの父母の声が交じり合っています。
今回は、特に監督が選手にどのような声掛けをしていのかを調べてきました。
2試合を観戦し、4チ-ム分を集約してみました。



監督の声掛け(写真のチ-ムと異なります)
NO1:「しっかり」「しっかりしろ!」
NO2:「何?」「何をしてるんだ!」
NO3:「アカン(バカ・アホ)」
NO4:「走れ!」「トロトロするな!」
NO5:「声を出せ!」「気合を入れろ」

「上手にできた!」という褒め言葉は、上位5位に入ってきませんでした。
また、「頑張れ!」という言葉は6位に入るのですが、「何をしてるんだ~頑張らんか~」という叱咤の意味合いで使われていることが多いように感じました。

特に驚いたのは、2塁ランナ-がヒットで3塁ベースを越え、自分はどうしたらいいのか?とためらう動作をした時、「何をやってんだ!」という監督の怒鳴り声で慌てて3塁に戻ろうとした時、「違う!違う!」という新たな怒鳴り声によって混乱し、立ち止まりタッチアウト。
監督自身が明確な指示を出せていないのにもかかわらず、子どもがベンチにもどるなり、「何をしてるんだ!アホか!」と応援席にいる父母らの前で叱責するのです。
このことを、ゼミや授業で紹介すると、少年野球では当たり前の光景かもしれないと学生たちは教えてくれます。

監督の怒鳴り声(罵声)は、野球ばかりでなく、バスケットボ-ルやバレ-ボ-ルでも頻繁に見られます。
バスケットボールでは、「ボールから目を離すな」と子どもに指導しているのに、ミスした時「何で、そんなプレ-をするのか?え?分かっているのか?答えろ!」とゲ-ムの進行中に怒りと質問を投げかけ、選手がボ-ルから目を離させる行動を当然のように繰り返す指導者がいます。

私たちは、授業等でジュニア期には褒めることが必要だと伝えていますが、実際の指導現場では昔とほとんど変わっておらず、怒鳴ることが主軸で、点を取った時だけ喜んでいます。

指導者の態度や言葉遣いを誰が指導(注意)するのでしょうか?
例えば野球では、
○観衆を騒ぎたたせるようにあおってはいけない
○相手チームのプレーヤー、審判員、観衆に対して悪口を言ったり、暴言を吐いたりしてはいけない
○言葉や動作で相手投手のボークを誘ってはいけない
という過度の暴言や妨害行為に対して審判は退場を命じることができます。
でも、今回示した事例は、どれにも含みません。



子供たちは、試合を通してスポ-ツを楽しいと感じ、また頑張ろうと思います。
しかし、指導者から出される意味不明の言葉でタッチアウトになった選手は、試合終了後も母親から「お母さんは恥ずかしい!しっかり走りなさい!」と怒られ、目を真っ赤にしています。
おそらくこのチ-ムの指導者は、根性がある選手は、こんなことで泣かないと一蹴するのでしょう。

そこで提案ですが、審判はたとえ味方の選手でも怒鳴るばかりで、褒めない指導者には、ペナルティ-を科してもいいのではないかと思います。
空振り三振しても、「力一杯バット振った!思いっきりが良かった!」という褒め言葉を言える環境づくりが必要です。
そのために審判は、子どもたちが楽しめる「試合のプロジュ-サ-」として、指導者の言葉遣いを指導する新たな役割を担うべきだと思いました。
また、授業で意見を聞かせてください。