2016.06.17

体育会ボート部のコックスの役割

naoです

私は、20年ほど前にクラスの仲間らと立命レガッタ(ボ-ト主催の試乗大会)に参加してボ-ト競技の面白さを教えて頂きました。
それ以来、瀬田川で開催される朝日レガッタ(4月中旬)などへ応援に行くことを楽しみにしています。
長崎国体や和歌山国体(瀬田川開催)にも立命館の選手が大勢出場されていましたので応援に行ってきました。

そこで今回、ボ-ト部女子チ-ムの佐藤美月さん(スポ-ツ健康科学部2回生)にコックス(Coxswain)の魅力について教えて頂きました。
コックスとは、ボ-トの5人乗り、8人乗りの舵取りを担当する選手のことを言います。
ただ、舵を取るだけでなく、タイムマネジメント、レ-スの展開の指示、漕手選手へのアドバイスを担います。
檄を飛ばすことが最も重要なのですが、漕手に「体力の限界まで漕ぎ続けている私たちに、もっと漕げなんて言うなよ!」という気持ちにさせてしまっては、チ-ムワ-クが乱れブレ-ド(オール)が揃わなくなりペ-スが落ちてしまうこともあるので、選手の心理状態も把握しなければならない難しいポジションです。



例えば、ペ-スが落ちてきた時、「落とすな!」とは言わず、「ここはドライブして!」とか「足を踏ん張って行きましょう!」と指示するそうです。
試合を見ていると、写真判定をするような接戦しているこも頻繁にあります。
ゴール前などでは力を120%以上に爆発させて漕ぐために、ミーティングでレース展開や言葉の共通理解を十分にしておくそうです。



瀬田川のように時間帯によって大きな波が生じる試合会場があります。
この波や風によって、ボートが曲がってしまうこともしばしばあるそうです。
その時、舵を切ってボ-トの向きを変えるのですが、漕手選手に急激な波などの負荷をかけてしまうと、リズムが狂うことがあるので、ブレ-ドが水中から上がった時に舵を切るか、それとも水中に入った時に切るかは、選手の意見などを聞いて調整するそうです。
この点は、佐藤さんの研究課題だそうです。

スポ-ツ健康科学部はじめ学内では目立っていないのですが、女子チ-ムは第93回全日本選手権大会で女子エイト種目(最も華やかな種目)で2位という輝かしい成績を残しています。
この時のコックスを務めたのが佐藤さんです(写真 上段の左側)。



エイトではボートの船尾に座り選手の顔を見ながら指示をします。
でも、舵手付クォドプル(5人乗り)では、ボ-トの船首に座り選手の顔を見ずに指示を出し舵を取っています。
種目によって、コックスの座る位置が異なるところが興味深いですね。



最後にもう一つ苦労話を聞きました。
女子のコックスは体重を50kgにするということが決められているそうで、試合前に計量があるそうです。
佐藤さんは、50kg以下であることから、試合前に大量の水を飲んで50kgに合わしているそうです。
これも大変な苦労ですね。


「立命レガッタが秋に開催されます。有志やクラスの仲間で参加し、ボート競技の魅力を感じてみませんか~ ボート部員が安全に十分気を配り、精一杯 お・も・て・な・し をします」と村井彩貴さん(スポ-ツ健康科学部4回生 写真上段右側)からのアナウンスです。
村井さんの美声をお伝えできないのが本当に残念です。