2016.08.04

夏の勉強会

私の研究室の研究の特徴の一つとして,”ものづくり”があります.”もの”といっても色々なものがあり,スポーツ健康科学分野の装置であったり,システムであったり,ソフトウェアであったり,様々です.ものを開発するためには,色々な知識や技術が必要になってきます.


そんな理由もあり,今週の月曜日から木曜日まで4日間連続で朝から夕方まで研究室3回生の勉強会を行いました.最初の2日間が電気電子回路,後の2日間がプログラミングについて勉強しました.これまでの毎週勉強会を開いて勉強してきたものですので,その集大成ということで短期集中型で勉強会を行いました.どちらも学部の講義ではあまり行わない分野ですが,私の研究室の専門分野では,よく使います.ただし苦労した学生もいたようです.


電気電子回路の勉強会では,実際に筋電図計測用の回路を製作しました.筋電図というのは,筋肉に力を出させるときに発生する微小な電気信号です.この小さな電気信号を計測するためには,特別な装置は必要になります.筋がどれくらい力を出しているのかを知ることができるので,筋電図はスポーツ健康科学分野でよく使います.電気回路の素子は普段は見慣れないものばかりですが,何とか2日間で筋電図が計測できる回路を完成させることができました.


プログラミングでは,C言語を使って実際にソフトウェアの開発を行いました.開発したプログラムは,無秩序にならんだ数値が入っているデータファイルから数値データを読み込み,それを昇順,もしくは降順に並び替えるというプログラムです.



一見簡単に感じるかもしれませんが,無秩序にならんだ数値を並び替える作業は人間が手作業で行おうとするとかなり手間がかかります.また,曖昧な命令はパソコンは受け付けてくれませんので,論理的な思考も大切になってきます.人間相手だったら,「大きいもの順に並び替えて下さい.」といった命令で済むかもしれませんが,プログラミングでは,その手順を正確に記載する必要があります.例えば,「まず1番目のデータと2番目のデータを比較して,1番目のデータの方が大きければ,順番を入れ替えて,,,」といった具合に一つ一つの細かな手順をプログラミング言語で書いていく必要があります.さらに,それをできるだけ少ない簡単な命令(手順)だけで記述することを考えるとかなり工夫が必要になります.全員,一生懸命取り組んでくれました.最後には,お互い教えながら,全員が時間内に完成させることができました.



これで基礎力はバッチリ(?)です.これから,学生と色々な”もの”を作って,社会に出していきたいと思います.

naru