2016.08.05

女子野球の普及

naoです

第一回全日本女子中学軟式野球大会を見学してきました。
7月29日から4日間、京都市(4会場)、宇治市(1会場)亀岡市(1会場)、城陽市(1会場)で開催されました。
全国都道府県の代表チーム(36チーム)が参加していました。
その城陽市会場で行われた試合を見学してきました。
驚いたことは、各選手の技術レベルが非常に高いことでした。
試合になるのかなという予想で応援に行ってきたのですが、上手いという一言です。
また野球をよく知っている選手ばかりでした。



特にピッチャーの投球フォームが美しく、ある選手の球を見ていますと、左投げサイドスローで男子選手でも打ちにくい変化球を投げているように感じました。

ルールも中学男子とは変わらずB号ボールを用いており、バッテリー間は18.44mとなっています。
試合を観戦していて感じたことは、女子選手はバッティング時に低めのボールを好んで振っているように思いました。
しかし、高めのボールについては、振り遅れる選手が多いように感じました。
これは、バットを振るために必要な上肢の筋力不足が影響しているのかもしれません。
バットスイング速度は男子より劣ることから、外野奥深くまで飛球することはほとんど見られませんでした。

スタンドで観戦している指導者の方に苦労話についてお話を伺ってみました。
女子は、男子と違って全身の筋力が劣ることから、投げ動作、打撃動作、走動作の習得に時間がかかるということでした。
また急激に投げ動作を行わせると、肩の障害が発生しやすくなることから、オーバートレーニングさせないことや練習後の関節周辺の筋肉等のケアが重要だといいます。
また、小学生時代にドッジボール等の大きなボールの投げ動作の機会が男子よりも少ないことから、下半身の踏み出しによるエネルギーを上手く使えない選手が多いそうです。
結果として、肩に負担がかかってしまう投げ方をするそうです。
そこで、肩の力を抜かせ下半身の踏み出しを意識させた遠投を行わせているそうです。



バッティングについては、叩き付けるよう教えても、遠くに飛ばそうという意識が働き、結果的にミスが増えるといいます。
また、インコースの打ち方が男子よりも苦手な選手が多く、腰を回転させるタイミングを教えることが難しいそうです。
できるだけ、「バットを短く持ち、ピッチャー返しをしなさい」と教えることが、最もイメージが伝わるのだと教えて頂きました。



指導者は、どうしても投手と捕手の育成に焦点をあてますが、点を取られないために一塁手の指導も重要だそうです。
三塁手や遊撃手が慌てず投げるためにも、一塁手の存在は大きいそうです。
「少しぐらい暴投しても大丈夫だよ」という安心感ですね。
これは、高校野球でも同じで、三番、四番を打つ選手が一塁手というふうに考えたら、大失敗するそうです。
お話を伺ったチームは、最も運動能力の高い選手を一塁手にしているそうです。

これまで「女子=ソフトボール」というイメージを持っていましたが、軟式野球も女子スポーツとして十分に普及できると感じました。
本当に、「中学女子投手の球をなめたらアカン」という印象でした。

また、宇治に近いこともあり、宇治の抹茶アイスを食べながらのお母さん方の暖かい応援を見ていると、子供たちに勝敗よりも野球を楽しんでほしいという親の願いを感じました。
試合に負けて戻ってきた子供たちに、「宇治茶をしっかり飲んで!抹茶アイスもしっかり食べて!着替えたら10円玉に行くよ?(平等院ですね)」という掛け声が最高でした。