2016.08.09

「体つくり運動」を考える

オリンピックが開幕し、日本選手らの活躍を真夜中にテレビ観戦するため、寝不足になりながらも応援をする毎日が続いています。
知り合いでコーチとして参加されている方などもいらっしゃるため、夜中の応援も気合が入ります。
パラリンピックの閉幕まで、できる限り応援したいところです。

先般、立命館大学と包括協定を締結している草津市の教育委員会主催の小中学校の教員を対象とした実技講習会の講師を担当してきました。
この日のテーマは“小中学校の「体つくり運動」領域において使える「動作コオーディネーション能力」の考え方と、その具体的指導方法”でした。当日は、草津市内のほぼ全ての小中学校の体育主任や、保健体育科の先生方がご出席になり、「体つくり運動」という領域についての基礎的考え方から、情報系の運動能力を示す「動作コオーディネーション能力」やそれを育成する「コオーディネーショントレーニング」を取り入れた場合の授業構成の方法や、その具体的教材を実際に体を動かしながら考えていただきました。
当日は今年一番の暑さとなったようで、体育館のなかはまるでサウナのような状態でしたが、前半の講義編、後半の実技編とも参加者の先生方は非常に積極的に受講いただきました。




児童生徒の体力の低下・二極化に対して、小中高の全学年の体育科・保健体育科の学習指導要領において導入された「体つくり運動」は、その導入から10年近くなりますが、その具体的な授業展開については、いまだ難しさを伴っています。特に小学校低中学年の「多様な動きをつくる運動(遊び)」や小学校高学年の「巧みな動きをつくる運動」については、さまざまな事例が紹介されていますが、その授業による効果・成果については、さらに検証される必要があるとされています。
こうしたところへ、「動作コオーディネーション能力」の考え方を取り入れることで、発育発達期にある児童・生徒の適時期(感受期)に即した指導ができると考えられます。



いま、ジュニアスポーツ指導の現場でよく聞くようになった「コオーディネーショントレーニング」を「体つくり運動」や部活指導などの学校体育に取り入れることで、児童生徒の体育やスポーツの学習・トレーニングがどのような展開可能性があるのかについて、引き続いて学校教育現場の先生方といっしょに考えていきたいと思います。


※追記

「仰ぎ見る 湖風に靡きし 旗の蝉」
暦の上では、残暑となりましたが、まだまだ蝉も元気いっぱい。
ふと見上げると、アブラゼミがはためく旗にしがみつき、盛んに鳴いていました。



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