2017.03.03

第29回京都府立高等学校体育系研究発表大会に参加してきました。

naoです

京都府立6校の体育系学科やコ-スで学ぶ生徒らが参加して開催されました。
個人やチ-ムで研究した研究発表の中から各高校の代表研究が発表されました。
本学も1回生時の基礎演習で研究成果をまとめますが、ほとんどの発表が大学生と同等以上であったと感心しました。





私のコ-チングという分野で興味を持ったのが、「洛北高校男子ハンドボ-ル部がインタ-ハイで第3位になれた要因」というテ-マの発表でした。
洛北高等学校のハンドボ-ル部は、京都府内では常にトップの座にあります。

球技では、急に優勝するチ-ムを作ることはできません。
都道府県内で2回戦程度で負けるチ-ムが、「全国大会出場」という目標を部室に掲げていますが、具体的な練習目標を立てられず、結果として1~2回戦で負けるという実態があります。
全国大会に出場するためには、まずは優勝争いをするレベル(ベスト4)に到達するための具体的な練習プランを作成し、試行錯誤しながらチ-ムマネジメントをしていきます。
そして、少なくとも3~4年間は2位、3位をし続けることで、結果として優勝をつかむことが出来ます。
この3~4年が、コ-チングの難しさで、教科書に記載されていないのです。
このチ-ムは、たとえ優勝できなくても次年度もまた同じチ-ムレベルで活動することが出来るのです。

洛北高校ハンドボ-ル部は、そういった過程(多くの先生方の指導の積み重ね)を得て現在では京都府内では不動の地位を得ています。
選手らは、さらに高い目標を掲げ「全国で勝つ」ためにどうするのかという視点で研究を進めていました。
まずは、上記に示しましたが、『全国で優勝争いをするレベルにチ-ム力を高める』という視点で分析したようです。

ゲ-ム分析という視点で、自分たちのチ-ムと敵チ-ムを丁寧に分析していました。
「攻撃成功率」「守備成功率」「シュ-ト成功率」「ミス率」「ノ-マ-ク決定率」から洛北高校の力を全校大会出場チ-ムと比較検討していました。
このデ-タを算出するためには、①誰が、②どこで、③なにを、④どうした といったデータをPCを用いて入力分析したものと思います。

分析の結果、チーム目標としていた守備成功率が高まったことから全国で3位になったが、敵の体格や戦略に対応したシュ-ト成功率を如何に高めていくのかが来年の課題であると優勝へのシナリオ(後輩たちへの宿題)を報告してくれました。

よく高等学校の強豪チ-ムは、先生(監督)がキャプテンを兼ねていると言われますが、この報告を聞いて、『まずは3位をめざし、常に優勝争いをするという生徒たちの熱意が先生(監督)を動かしている』洛北高校の伝統を感じました。
全国優勝することを楽しみに応援したいと思います。


他にも興味ある研究報告が沢山ありました(発表者名の記載は控えます)。

「負荷設定における錯覚がタイムに及ぼす影響」(西城陽高校)
「剣道競技おける高身長の選手と低身長の選手の技の比較」(久御山高校)
「2020年東京オリンピック・パラリンピックに対する意識調査」(綾部高校)
「打撃フォ-ムと飛距離の関係性」(乙訓高校)
「ソフトテニスがオリンピック競技になるためには」(鳥羽高校)



これ以外にも、各高等学校の年間行事やボランティア活動の様子などの資料が展示されており、京都府立高等学校体育系の先生方の日々の汗やご苦労、そして熱意が伝わってきました。



今回の発表者のある生徒さんが、本学部入試に合格されていることを聞き、私たちも高校の先生方以上に熱く学生と向き合っていかなければと思いました。