2017.03.06

「健康維持は死ぬまで自転車操業-タンパク質は壊されないと生きられない-」

この講演タイトルは、非常にインパクトがあります。オートファジーと健康に関する内容でした。

R-GIRO研究拠点成果報告シンポジウム の基調講演者として、木南先生(順天堂大学)が招かれ、そのときの講演タイトルです。


大学院生(特に博士)の研究指導で、研究タイトル(申請書タイトル)などを長年指導してき手いる観点からもインパクトを与えてもらったタイトルです。

講演の中身も非常に興味深く、人間の生体維持システムの精妙さに感激もしました。

人間の身体を構成しているタンパク質は常に入れ代わっています。1ヶ月で全身が入れ代わるともいわれています。ときに不良品のタンパク質ができたりします。不良品がでると壊すシステムが働く。ただし、エネルギーを使うことになりますが、そのままにしておくと病気に成ることにつながるので、選択的にいらないタンパクをみつけて壊し、細胞の正常状態を維持する。

このあたりのシステムが、『オートファジー』といわれているところです。

ただし、単に壊すだけでなく、部品として再利用もされています。ですので、講演のタイトルにあるように、造っては、壊しの自転車操業で、人間の身体は維持されています。

人間と自動車の違い も説明されていました。
人も車も、食物(ガソリン)を食べ、活動(仕事)をし、排泄物(排気ガス)をだし、やがて老化する。車は、部品の交換を必要なときに行っている。けれども、人間では部品の交換を常時行いながら、身体を維持している。まさに、自転車操業です。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
基調講演の後、拠点の分科会に分かれて、この4年間の研究成果を各グループリーダー、若手研究者から行ってもらいました。その分科会後の記念写真です。


 【忠】