2017.07.13

先週の勉強会

こんにちは、shinoです。

最近暑い日が続いていますが、皆さん体調はいかがでしょうか?


私は、先週末、奈良スポーツ研究会という
奈良県の理学療法士さん達のスポーツの勉強会に講師として参加させていただきました。

以前のメールにも書きましたが、
毎年、この研究会で講義をさせていただいています。

毎年は、私の専門である、足・足関節のスポーツ傷害について講義をしているのですが、
今年は、脳振盪についての講義を依頼されました。

スポーツに興味を持っている理学療法士さんが開催している勉強会で、
この研究会に参加している方たちは、高校野球の大会に救護班として活動されているということでした。

その時に、救急対応を迫られる可能性も大いにあるだろうということで、
私に脳振盪の講義と、救急処置の講義を消防士さんに行ってもらうために、
今回は、奈良県の消防署の一室をお借りして、研究会が行われました。

私は、ラグビーを中心にスポーツドクターとして携わっているため、
ラグビー種目はご存じのとおり、相手選手との接触が多く、脳振盪の発生も多いです。

そのため、ラグビーでは、試合中の脳震盪受傷の判断や、
受傷後の対処、復帰プログラムなど、かなり厳密に決められており、コントロールされています。

海外ではラグビー以外のスポーツ種目でも、脳振盪への対応は重要な問題として取り扱われていますが、国内では、まだ十分に整備されておらず、これからの課題とされています。

脳振盪の多いスポーツとしては、ラグビーやアメフトを想像されていると思いますが、
実は、スノーボードが最も多いです。
スノーボードは、ボードのエッジが雪面に引っかかって、後頭部を強打することで、頭部外傷が発生しやすいと言われています。
ラグビーやアメフトは確かに脳振盪の発生は多いのですが、
競技人口から考えると、国内では野球やサッカーでの脳振盪発生数の方が、多いことが分かっています。

だから、どのスポーツ種目でも脳震盪は起こると思って下さい。

一番重要なことは、
脳震盪であることや、脳震盪である可能性があることを、競技中の選手の動きで見抜くことです。

慣れないとなかなか大変ですし、スポーツドクターである私たちも判断に迷うことが多々ありますが、
選手の安全を守るためには大事なことです。

スポーツにかかわっている方は、是非とも脳振盪について理解することが重要です。

私の講義あとは、消防士さんによる救急搬送方法(担架への移乗方法)や、AEDについての講義がありました。




私が大学で行っているスポーツ医学の授業でもこれらの講義と実技は行います。

スポーツに携わる全ての人は、是非ともこのような勉強会の計画、参加していただき、
安全で楽しいスポーツ活動を行っていただきたいと思います。