2017.09.24

PhD defence(その2)

前回から引き続き、コペンハーゲン大の博士後期課程のRasmusの口頭試問・公聴会について、ご報告したいと思います。
博士論文が無事に学外審査員(南デンマーク大学のDr. Caserottiとバーミンガム大学のDr. Greig)からOKをもらうと、口頭試問・公聴会をスケジュールします。

今回の口頭試問・公聴会はBispebjerg Hospitalの大講義室で行われましたが、大学院生や教員がほぼ全員出席してました。(その理由は後でご説明します)

流れとしては:

1)院生の口頭発表(全て英語)
2)”opponents”(学外審査員)からの質問(全て英語)
3)審査結果の発表

という順番です。

まず、本人からの口頭発表ですが、ただただ見事!という印象です。



デンマーク人は大学の専門授業は運動生理学も含め、英語の教科書を使って勉強します。
そのため、英語の専門用語にも精通しており、学内での研究発表や国際学会での発表でも流ちょうに英語で発表するだけでなく、レベルの高い質疑応答で激しい議論を繰り広げることができます。。

が、何と、南デンマーク大学のDr. Caserottiとバーミンガム大学のDr. Greigからはそれぞれ30分ずつの質疑応答がありました。(主査・副査からの質問はありません)



まさにお互いに立ち話をするかのように、議論を続けます。基本的には教員から質問の攻撃を受け、それを何とか凌ぐ、という感じでしたが。。聞いている方も疲れるくらい、延々と続きます。

そして、学外審査員からの質疑応答が終わると、審査員が会場の聴衆を残したまま、別室に移動して直ぐに審査を行います。

およそ5〜10分後に、審査員が戻ってきて。

正式に学位授与を推薦します!
と宣言し、盛大な拍手で祝福されます。

で、そのまま、研究所で祝賀会です(笑)



興味深いのは、発表を行った院生と研究所のメンバーだけでなく、院生の家族や友人、被験者の高齢者など、様々な人たちが祝賀会に訪れて、Rasmusを祝っていたことです。

日本の審査システムとあまりにも違って驚くことも多かったですが、院生自信が研究者として自立することを大学が促し、また学位が確定すれば(タイムリーに)皆で盛大にお祝いする、という習慣はとても貴重だと感じました。

satoshi


下の写真は近所のローゼンボー城の写真です。
素敵な公園の中にあるので、眺めも良い。