2018.02.25

carnavalその2

前回に引き続き、マーストリヒトのカーニバルについて紹介します。
マーストリヒトのカーニバルは日曜日からスタートし火曜日の晩まで3日間にわたって朝晩関係なく続きます。

スタートの日曜日はその象徴となるMooswiefをポールに吊り上げるところからスタートし、その後マーストリヒト駅からパレードが始まります。
Mooswiefは野菜売りのおばさんの象徴らしく、カーニバルの3日間を空から見守ってくれるそうです(ブログ下の写真)。

12:11にこのMooswiefのつり上げられ、11発の大砲の音とともにカーニバルがスタートします。この”11”という数字はいろいろな意味があるそうで、実際にどの説が本当なのかもわからないそうですが、一つの説はおとぎ話のエルフです。
オランダ語で数字の「11」を”elf”(エルフ)とスペルします。まさに妖精のエルフと同じです。
寒い冬の自然界の精霊を追い払って暖かい春を迎える、というカーニバルの目的に沿って”11”の数字が使われているというのが一つの説です。


カーニバルではパレードに参加する人たちだけでなく、一般市民も皆コスチュームに身を包んで町中を練り歩きます。まさにこのカーニバルのために1年かけて衣装を作成する人もたくさんいるそうです。

(息子の幼稚園でも、カーニバルの前の週の金曜日にはコスチュームを着て子供たちだけでパレードを行いました)

このコスプレ的なイベントには様々な意味があるそうで、
・男女や人種差別への訴え
・普段は社会的に認められないアイデンティティを装う
・政治的な圧力に対する揶揄
・仲間と衣装を創作する共同作業を通じた交流

などほかにもあるようですが、基本的にこのカーニバルの間だけはコスチュームやパレードに対してお互い批判しないのが暗黙の了解だそうです。
(写真では囚人のコスチュームに身をまとった男性がオランダの警察官の人形が乗っている台車を押してます。ちょっとパロディー的でかつ権力を揶揄するような背景を想像させます)

ネットで購入した衣装を着る人もいますが、生地を買って自宅でコスチュームを作る人も多いそうで、今年のカーニバルが終わり次第、来年の準備に入る人もいるとか。。

マーストリヒトでは個々人が様々なテーマを持ってコスチュームを作成します。あまり統一感がないと言っても良いのかもしれませんが。。カーニバル当日は一般人が皆コスプレ状態なので、逆に普段着の自分は浮いてる感じがしました。

そして、3日間のカーニバル最終日となる火曜日の晩に、またゆっくりとMooswiefが降ろされてカーニバルが終わりを告げます。

総じて、市民はカーニバルを通じて冬の終わりを楽しんでいるようでした。

satoshi