2018.03.21

春呼ぶ火

Las Fallas(火祭り)が春を越えて初夏を招いてくれそう!と思った日もありましたが、最終日19日は冬のような寒さに戻ったバレンシアです。

(左側に黄色のクレーン車がいるの、見えますか?数日かけての大がかりな設置です)

さて、この祭り、かなり昔から続く行事です(なぜ伝統行事で、しかも火を使うのか…少し補足を)。それは、キリストの父親サン・ホセ(日本では、聖ヨセフの呼び名の方が馴染みがあるでしょうか)が大工だったことに由来しているそうです。大工職人たちは、サン・ホセを守護聖人として崇め、古い材木/張りぼての人形を集めて燃やしたのが、この祭りの原型だとか。

(今年の火祭り人形たち。右下:なぜか気になる存在。上の真ん中:1位に選ばれました!私もこれに投票しました)。

連日続くマスクレタ(爆竹ショー)はどんどん勢いを増し、夜中のマスクレタは、形容できないほどの凄さ・凄まじさでした。朝方まで賑やかで?うるさくて?二重窓のレジデンスの部屋でさえも眠れるか不安になる日が数週間続きました。

各団体が制作したそれぞれの火祭り人形たち(その数、500とも700とも言います)は、最終日に一晩で灰になり…。その様子は、いわゆる大火事です。これを毎年繰り返しているというのですから、驚きます。本当にここは、地理的な規模は小さいながらも、非常にダイナミックな地域です。

そんなバレンシアのマチを感じながら、(でもまだ、帰国2日前の勉強会・セミナーを残していますが)あと数日で帰国の途につきます。ですので、スペインからの便りは今回で最後です。

ここまでバレンシアの内容をお読みいただいた方々、本当にありがとうございました。研究メンバーや地元の人に恵まれ、バレンシアのことをとても好きになれたことは大きな財産です。今回のサバティカル期間に関わって、学部の教職員のみなさんはもちろん、ゼミの学生他、いろんな方々の協力がありとても感謝しています。こちらでは、日常生活・研究活動のどれをとってみても、どうひっくり返ってみても右往左往して迷子になったことしか思い出せないのですが、この日をこの地で無事に迎えられそうなことに、まずはほっとしつつあります。

次回のブログは、日本からです!
明日は、卒業・修了式ですね。おめでとうございます。お祝いの気持ちだけでも届きますように…。

【表紙の写真】街の中に登場した巨大オブジェ(のほんの一部)。

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