2018.12.18

障がい?特性?個性?

最近、「障がい」に関する様々な書籍が刊行されています。
障がいに関する書籍は、コンスタントに発刊されていますが、
このところ、発刊数は多くなってきているように思います。

やまゆり学園の事件、出生前診断のさらなる簡便化、優生保護法への批判など、
ひとの生命が他に委ねられる、あるいは、他がひとの生命を決めてしまうという
あり方に対する危惧であり、警鐘の表れでもあると思います。

「選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子」
出生前診断を受けて、異常がないと言われ生んだ子は、21トリソミーである
ダウン症だった。女性は、医師とその医院を提訴する。その過程で、母体保護法
(旧、優生保護法)の歴史を知る。
望まぬ出産、危険のある出産を阻止する方法が必要だと訴えてきた一部の女性たち。
誤診により望まぬ生を受け苦痛に苦しんだわが子に対する損害賠償を求める両親。
お腹に宿ったひとつの命は、いったい誰の命なのか、考えさせられる。

「運命の子 トリソミー:短命という定めの男の子を授かった家族の物語」
2013年の発刊であるが、「第20回小学館ノンフィクション大賞」受賞作である。
総合病院から依頼され、13トリソミーの赤ちゃんとその家族と共に歩む小児外科医の
記録である。心臓の奇形、脳の発達阻害などにより、多くの子が1歳までに死亡する。
出生前診断に対する議論が進む中、「命の選択」を深く考えさせる書である。

この他にも、様々な角度から、障がいに関する書籍が出ています。
「発達障害に生まれて-自閉症児と母の17年」という、自閉症児と母との
ていねいな歩みについて書かれたもの。

「発達障害 生きづらさを抱える少数派の『種族』たち」という、発達障がいの
人たちの特性をわかりやすく解説した書。

ひとの命のあり方が問われる中、手に取ってみてはいかがでしょうか。