2019.02.20

高野晃帆さんの新聞記事を読んで思う・・・

こんにちは。

二週間前にここで紹介した、京都新聞への高野晃帆さんのインタビューが
昨日の朝刊で記事になりました。

高野晃帆さんは、スポーツ健康科学部の3回生。
ボート部員で、昨年の全日本選手権大会、女子エイト二連覇、女子舵手なしペア
五連覇のクルーであり、先のアジア大会では舵手なしペアで4位に入賞しました。

今回の京都新聞の記事は、京都にキャンパスをもつ私立大学の、2020年東京
オリンピック・パラリンピックを目指す学生や卒業生への支援のありようが
テーマです。

 (Apollo)20190220-01

その記事の中で、高野晃帆さんは、立命館大学東京オリンピック・パラリンピック
活動助成金の受給者として紹介され、先日のインタビューの内容が紹介されて
います。

記事で、高野晃帆さんは、今回の助成金が競技に取り組む環境を整えてくれた
ことに感謝し、「恩を返せるように結果を残す。」と述べています。

この恩は、誰に対する恩でしょうか。

今日の日本の私立大学の収入は、その多くの部分を学生からの学納金に依拠して
います。
ですから、大学に対する恩は、立命館大学のすべての学生、院生のみなさんへの
恩でしょう。
高野晃帆さんは、学生、院生のみなさんに支えられて、みんなの代表として日々、
頑張っているのです。

そうなると、「私はボート競技が好きだから・・・」というレベルの自覚では
済みません。
その自覚が、高野晃帆さんを人として大きく成長させてくれるのだと確信して
います。

スポーツが発展するには、「裾野が広く、高いピラミッド」が必要です。
裾野の広さは、スポーツの普及の度合い、生活とスポーツとの距離を意味します。
また高さは、競技レベルの高度化、競技力の状況を示しています。

私は、スポーツビジネスを専門としていますが、スポーツビジネスの社会的使命は、
人と人との繋がりが希薄になった今日の社会で、みんながスポーツをして楽しみ、
一緒に観て、応援して楽しむことで、人が人との関係を意識し、一人ではない
ことを自覚できる状況を創る一助となることで、血の通った情のある温かい社会の
実現に貢献することにあると考えています。
そう考えると、スポーツの裾野の広がりに大きな関心が向くことになります。

しかし、日本のスポーツは、その発展経緯の特殊性もあり、一般に高度化に重きが
おかれる状況にあり、オリンピック・パラリンピックの目標も成果も、獲得した
メダルの数に置き換えられるのが常です。

私は、結果としてのメダルの数よりも、そこに向かうプロセスに意味があると
考えています。

メダルの獲得は、その競技への注目度を上げ、競技人口も増えるでしょうが、
それらは一時のブームで終わることが少なくありません。
したがって、その結果よりも、そこに向けた選手たちの直向きな努力が、人びとと
スポーツとの距離を縮めるのではないでしょうか。
そして、その取り組みの中で、選手たちが、競技を超えた人として成長してくれる
ことを願って止みません。

Apollo