2009 立命館大学理工学部卒業 2011 立命館大学理工学研究科創造理工学専攻博士課程前期課程 修了 2014 立命館大学理工学研究科総合理工学専攻博士課程後期課程 修了
学生時代にタンパク質のNMR研究を課題として与えられたのがきっかけで、構造生物学の世界へ足を踏み入れました。 新しくできた研究室であったため、はじめはタンパク質培養系・精製系の立ち上げに四苦八苦いていました。半年ほど苦労してできたサンプルをNMRで測定し、先行研究に沿ったスペクトルを得られたときはとてもうれしかったのを覚えています。
タンパク質の立体構造の揺らぎと機能の相関研究
主に核磁気共鳴(NMR)法を用いて、タンパク質の立体構造とその構造揺らぎと機能発現の相関研究を行っています。
ひも状の生体高分子であるタンパク質は、水溶液中で折りたたまれ、特有の立体構造を形成することで機能を発現します。この立体構造は、そのアミノ酸配列によって精密に制御されていることが分かっています。 しかし、水溶液中でタンパク質は、特有の立体構造を形成し、静止しているわけではなく、常に構造を変化させ動いています。この構造の揺らぎは稀に水素結合のかい離や局所的な変性などの大きな構造の変化を生じます。このような構造の揺らぎは、機能的に重要であることが知られていますが、どのように重要なのかよくわかっていません。 構造変化に敏感な高圧力NMR法によって構造の揺らぎを一原子分解能でとらえ、リガンドの結合能などの機能と比較することで構造揺らぎー機能相関研究を発展させたいと考えております。 将来的には、高エネルギー状態を標的とした創薬研究に応用できればと考えています。
研究活動の楽しさや面白さを伝えたい
教育面では、一年間のアメリカでの博士研究員として得た経験や研究活動を通して培ってきた経験を通して、研究活動の楽しさや面白さを伝えられればと思います。