2000 大阪大学工学部応用自然科学科 卒業 2005 大阪大学大学院薬学研究科博士後期課程 修了
化学が好きであったこと、大学で面白い研究に巡り合えたこと、良い指導者に恵まれたことが、私が研究者になったきっかけです。学生時代にはアルバイトを始め、様々な仕事に触れましたが、自分の性格に合い、人生を賭ける価値があり、一生続けられそうなのは、研究の世界であると確信しました。
医薬品分子を合成し、機能を高める
独自に開発した革新的な有機化学的手法を用いて、新しい医薬品やその関連化合物、診断薬などの機能性有機分子を創製することを目標としています。
有機合成化学は有機分子の結合を自在に組み立てる論理を極め、これを実践することを主眼としており、薬学では新しい医薬品の発見や、分子設計により医薬品の望みとする機能を向上させる力があります。人や動物の体の成り立ちからわかるように、生体分子の働きを分子レベルで理解するためにも重要となる学問です。私達の研究室では、医薬品合成に関する研究を行う際に、持続可能で未来に残る手法の開発が重要と考え、環境や人にやさしい精密合成の実現と新反応の開発を一つの指針としています。様々な科学技術が発展したことで、現在、欲しい医薬品や有用物質を論理的に設計して合成する時代となっています。すなわち、有機合成が創薬の場で大きく活躍する環境が整ってきました。創薬研究に必要な合成の知識と技術の伝承に携わりながら、新薬・機能分子開発のエキスパートとなる有機合成に精通した人材を育成することに注力したいと考えています。
世界と協同する経験を得る
皆さんは薬学という専門領域で、世界で通用する知識や何かの強みを持っていますか?大学において、グローバルな視野を養う大事な機会となるのが、3回生より始まる「卒業研究」です。卒業研究のテーマは世界に通じ、これに真剣に取り組み事で、研究室でしか味わえない多くの国際経験を得ることができます。成果を発表することで、薬学の発展にも貢献できます。薬学部での学びが、皆さんの強みとなることを期待しています。