2002年 神戸薬科大学 卒業 2002年 薬剤師免許取得 2007年 神戸薬科大学大学院 薬学研究科 博士課程後期 修了
学生時代に糖鎖合成酵素の単離(クローニング)を課題として与えられたのがきっかけで、生体分析化学および生化学の世界へ足を踏み入れました。 当時は目的の遺伝子の機能がなかなかわからず、四苦八苦しました。恩師や先輩に助けていただき、様々な手法を用いて検討を行い、糖鎖合成酵素の活性を得られたときに、研究の面白さを実感しました。
グリコサミノグリカンを含む糖鎖の機能解明と それらの医薬品開発および再生医療への応用
グリコサミノグリカンを含む糖鎖の機能を超微量分析法を主体に用いて明らかにし、病気の原因究明や治療薬の開発に繋がる研究を目指しています。
糖鎖であるグリコサミノグリカンは、細胞表面や細胞外マトリックスに存在し、様々な細胞増殖因子や形態形成因子などと相互作用し、細胞接着、移動、増殖、受精卵の細胞質分裂やES細胞の分化といった様々な生命活動を制御することが知られています。 近年、グリコサミノグリカンの生合成異常が、ガン、脳疾患や骨系統疾患等を引き起こすことが多数報告されてきました。興味深いことに、糖鎖はDNAやタンパク質のように鋳型によって形成されるのではなく、糖鎖合成酵素によって生合成されています。そのため、糖鎖の機能を解明するためには、まずは糖鎖の構造の変化を詳細に分析することが必要不可欠であると考え研究を行なっています。 研究室では、様々な細胞の分化過程や病態での糖鎖の構造変化を分析することで、糖鎖の新たな機能や疾患の発症原因の解明を目指した研究を行い、さらに創薬へと繋げる形で社会に貢献していきたいと思っています。
授業や研究活動を通じて、幅広い知識や問題解決能力の大切さを伝えていきたいと考えております
教育面では、トロント大学での留学や研究活動を通して培ってきた経験を通して、研究活動の楽しさや面白さを伝えられればと思います。 また、トロント大学では病院の研究所で、臨床医や異なる分野の方と一緒に仕事し、新たな研究手法の習得や幅広い知識に対応する能力の大切さを実感しました。そのため、薬剤師を目指す学生にも、授業や研究活動を通じて、幅広い知識や問題解決能力の大切さを伝えていきたいと考えております。