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学部長挨拶

創薬科学科では、病に苦しむ人々を救う新薬の開発。薬学科では、病院のチーム医療や薬局を中心とした地域医療への貢献。立命館大学薬学部の卒業生が、「薬」を通じて人々の健康を守るために活躍する姿を思い描いています。

新型コロナウイルス禍は大学の教学に非常に大きな影響を及ぼしています。授業はリアルとWebのハイブリッドとなり、実習はマスクとフェースシールド、ゴーグルを着用し、三密を避けるために広いスペースで行っています。新型コロナウイルスは人の交流を止めました。多くの海外留学プログラムも中止されました。
現状仕方ありませんが、やはり大学の魅力は、講義、実習、演習、クラブ活動、サークル活動などにおける学生同士、学生と教職員とのリアルな交流が出来るキャンパスにあります。立命館大学薬学部では、新型コロナウイルス感染のリスクを最小限に抑える工夫をしながら、バーチャルな手法を併用しつつも極力リアルな学びの場を提供していきます。

立命館大学薬学部は、2008年に6年制の薬学科を、2015年に4年制の創薬科学科を設置しました。大学院薬学研究科では、2014年に、高度化する医療において先導的な役割を果たす薬剤師・医療人・研究者を養成する薬学専攻博士課程が開設されました。また2020年には、創薬分野の研究を深め、新薬の発見・創製につなげる研究者を養成する薬科学専攻修士課程が開設され、2021年には修士課程に続く同専攻博士課程後期課程が設置されます。
この教育研究体制を支えるため、薬学部・医学部出身の豊富な知識と経験を持った教授や准教授、現役の薬剤師である嘱託講師、若くて研究心あふれる助教、高い事務能力を持った職員、洗練されたカリキュラム、新しく充実した教育設備を整備しています。

グローバル化に対応して、英語教育も充実しており、TOEICの点数は他大学に秀ででいます。新型コロナウイルス禍が収まった後には、カナダのToronto小児病院(SickKids)への留学プログラム「Toronto Clinical Training Program: 薬剤師を目指す学生のための海外フィールドスタディ」に参加して海外の薬学部生と交流し、カナダの医療制度・薬剤師業務にも触れることが出来ます。創薬科学科の学生もアメリカのYale大学やカナダのToronto大学の研究室に留学することも可能です。

薬学は、製薬会社などで創薬に携わる研究者の養成と、医薬品の正しい服用方法などを指導する薬剤師の育成の二つの面を持ち、総合科学として非常に幅広く、多岐に渡る薬学の基礎と応用に関する知識と技術を学ぶ学問です。

創薬研究では、病気に効くかもしれない薬の種を見つけて合成し、効果や副作用についてそれが「薬」になるかどうか実験します。吸収や代謝、剤形などについても詳細に検討します。更に「治験」といって患者さんに参加してもらってその薬が病気に効くかどうか、重篤な副作用が出ないかどうかを調べます。そのすべてに「青信号」が出て初めて新薬が生まれるのです。
最近では、がん細胞だけを特異的に認識して殺す抗体医薬品や分子標的薬などの新しい薬が次々に開発され、臨床で使われています。将来、iPS細胞で作った患者さんの組織を使って、薬の効果や副作用を検討できるようになり、これまで非常に敷居が高かった「治験」の壁を楽に乗り越えられる日が来るかもしれません。

一方、薬剤師の役割とはどのようなものでしょうか。よく「毒にも薬にもなる」と言われますが、せっかく良い薬が出来ても正しく使われなければ副作用ばかりが出てしまいます。患者さんの遺伝子を調べて、薬が効きにくい人や副作用が出やすい人などを治療前に調べることもできるようにもなってきています。
ただ、どんなに科学が進歩しようとも、みなさんが相対するのは「病気」ではなく、「病気を持った患者さん」です。薬の効果、副作用、使い方など分かり易く説明して正しく使ってもらうことはもちろん、患者さんの悩みを良く聞いて心の支えにもなってあげられることも非常に大切な仕事です。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の発達により、様々な分野に科学技術が導入され、これまで薬剤師の中心的な業務であった調剤の一部も機械にとって替わられます。そこで重要となるのが「対物」から「対人」へというパラダイムシフトです。本学では、この新しい薬剤師の業務に対応出来る人材の育成に努めます。

創薬科学科、薬学科での学びを通じて、「薬」と「人」を中心に据えた幅広い知識を身につけ、「薬」を通じて人々の健康を守るために活躍していただきたいと考えます。
立命館大学薬学部では、刻々と変化する課題に対応するため、常に新しいことに挑戦し、みんなの未来を切り拓く人材を育ててゆきます。
Challenge your mind, change our future!

立命館大学 薬学部長 服部 尚樹