立命館小学校

世界の多様性を知るために

明日から3日間、オンラインでのWORLD WEEKです。それに先立って、今日はキックオフイベントがあり、APUからのゲストティーチャー(13ヵ国から26名!)の挨拶動画を見たり、立命館小学校の卒業生で現在APU生の先輩のお話をみんなで聞きました。その一環として、校長特別授業ということで、「世界の多様性を知るために」というテーマで20分ほどお話をしました。明日から始まるゲスト・ティーチャーとの交流から、少しでも多くのことに気づき、今後の学びにつなげてもらうというのが話の目的です。

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単純な話、「世界の多様性」とは、世界にはいろいろな人がいて、考え方や価値観があって、それで成り立つ社会の形もいろいろで、歴史的背景もいろいろで・・・ということです。だけど、私たち一人ひとりの人間が、実際に見たり、聞いたり、本で読んだりして気づくことのできる世界の様子には、限りがあります。だからこそ、異なる文化の人と接するとき、知らない場所に行ったとき、新しい発見から学びを深めるための意識が必要です。今回のお話では、そういう「ものの見方の工夫」として、「多様性に気づくためのヒント」をスライドを使って3つ紹介しました。

① 「同じところ」と「ちがうところ」を見つけよう。
相手との違いを見つけたら、同じところも探してみる。相手との同じところを見つけたら、ちがうところも探してみる。「ペルーでは、学校は朝8時から午後1時までだから、朝食の給食が出るよ」と教えてもらったとき、ペルーの小学生と私たちの違いはなんでしょうか。同じところはなんでしょうか。こうやって考えることで、新しい発見があります。

② 「見えない部分」に何がある?
文化を氷山に例える方法があります。それぞれの文化には、見える部分と見えない部分があって、見える部分には、人の様子、建物、食べ物、音楽、仕組みなど、具体的な物事が含まれます。だけどその見えるものの水面下には、その物事を成り立たせる考え方や価値観、行動の意味などが隠れています。見える部分に興味を持ったら、「見えない部分に何があるんだろう?」と考えることで、その文化を一歩深く理解するきっかけができます。

③ 「どちらも正しい」ことがある。
「6」という数字は反対側から見ると「9」です。立場が変われば、どちらも正しいということになります。でも私たちは、たいていの場合、「6」は「6」だと思い込んでいて、「9」にも見えるということに気づきません。自分の見ているものは、他の見方もできるかもしれないと考えること、自分と相手の見方が違っても、「どちらも正しい」かもしれないことを念頭に置いておくと、異文化に対する気づきが深まります。

さて、これらのポイントをどうやって伝えるか、ずいぶん悩みました。これまで、大学生や社会人向けには、学術的な裏付けも含めてこういう話をたくさんしてきたのですが、さて、1年生から6年生までの子どもたちみんなにわかりやすく話すには、20分間を飽きさせないためには、どうしたら良いのか。しかも今回は700人以上とWebiner形式で繋いでいるので、子どもたちの表情が見えません。そこで、少しでもメリハリがつくように、と思って初めに3問の写真クイズを入れました。「写真から読み取れる情報から、文化的な背景を想像してみる」ための練習問題です。一問だけ紹介しておきます。

この写真、私がどこで何をしていたところでしょう?
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明日からのオンラインでのWORLD WEEK、実り多いものになりますように。

校長 堀江未来