立命館小学校

「夏休み」が持つ意義

新型コロナウイルス感染の収束状況は一進一退から、最近は、微増傾向にあります。「第2波」が話題になるつれ、心配な日々となっています。皆様には、お変わりございませんでしょうか。

 

さて、その様な状況の中で、本校は、21日から約1ヶ月の夏休みに入ります。

6月、7月は、

・登下校のルールも含めた新しい学校生活様式に慣れて身に付けさせる

・長期のオンライン学習期間を経た児童に、学校で6月末まで予定の学習内容を定着させる

この2点を指導の方針として、登校を伴う学校再開に取り組んできました。

児童は、勉強に生活によく頑張り、新しい生活様式にも応えて、コロナに打ち勝つ思いで日々過ごしていました。

 

その日々頑張った状況の下、来週火曜日からは、夏休みに入ります。

しかし、今年の夏休みは今までとは違った夏休みになると思います。「お出かけすることよりも、家にいることの多い休み」になるでしょう。

家にいることが多い。これは、4,5月の時もそうでした。しかし、今度はオンライン学習はありません。夏休みには夏休みの過ごし方があります。夏休みと言う期間は「夏休みの良さや意義」が十分ある、そういう時間なのです。

 

私が考える、夏休みで育ってほしいことや経験してほしいこと。それは、「自学」の姿勢です。

自学とは「自分で自分を律し、勉強・生活をコントロールすること」です。

学校から出された宿題をする、それが夏休みのするべき事、というイメージを持っている児童もいるようですが、それはもったいない過ごし方です。

学校から出る宿題は、もちろん計画的に少しずつ済ませていってほしいものです。

しかし、メインは違います。学校の宿題ではなく、自分の宿題=つまり「自学」を計画的にどんどん取り組むべきです。これが、夏休みの過ごし方、夏休みの学びの取り組み方です。

 

自分で取り組む学習と言っても、さっと取り組めないかもしれませんが、図画や工作の作品づくり、自然や社会に関わる調べ学習、何か自分なりの課題やテーマを決めた上での探究・追究的学習、夏休みの様々なコンクールや作品展出品等、じっくり考えれば、色々と浮かんでくるものです。ご家族で相談することももちろんありです。「自分の宿題」ですので、どんどんチャレンジしてほしいと思います。

 

私が子どもの頃の夏休みを振り返ると、その思い出は「旅行」ではありません。(今思うと、なぜかその様な機会はほとんどありませんでした。)木で何かを作ったり、絵具で絵を描いたり、生き物を調べたりしたことを、今でも、印象深く心に残っています。 

そして、印象深いだけでなく、どれも、私の中では満足感があります。取り組んだ作品は、失敗したり、壊れたりしていても、です。いまでも、面白かったなぁ、楽しかったなぁ、夢中だったなぁ、とその時の様子が目に浮かびます。なぜでしょう。不思議ですね。

 

是非、今年は子ども達には、この夏休みは特別な夏休み、自学(自主学習)で沢山の時間を過ごしたいつもと違う特別な夏休みにしてほしいと思います。

 

今年度の漢字は「勝」。地道にコツコツと追究してみたい、そのテーマを今のうちに決めてほしいです。長い夏休みだからこそできることに取り組んで、そして、家にいることが多かったことに打ち勝った、印象深い「この夏の学びの思い出」を作ってほしいと切に願います。

 

 

 

学校長  長谷川昭