• 2021/08/23
  • アザラシの海洋適応に伴うタンパク質進化のしくみを解明
  • 立命館大学広報課
  •  富山県立大学工学部医薬品工学科 磯貝泰弘教授、立命館大学生命科学部応用化学科 今村比呂志助教、岡山大学異分野基礎科学研究所 墨智成准教授、長浜バイオ大学バイオサイエンス学部 白井剛教授らの研究グループは、複数の祖先アザラシMbを復元して合成することに成功した。合成した祖先および現存アザラシMbの構造と生化学的性質の解析を行い、以前解明したクジラMbの進化と比較することで、潜水哺乳類に共通するMbの進化とアザラシ独自の進化の道筋を明らかにした。

    ポイント
    哺乳類の潜水能力は、筋肉中で酸素を貯蔵する働きを持つミオグロビン(Mb)というタンパク質の量に依存し、潜水哺乳類の肉が陸生動物の肉よりも色が濃いのは、筋肉中のMb濃度が高いことによる。
    潜水哺乳類であるクジラやアザラシは、約三千万〜五千万年前に陸上に生息していた四つ足動物から進化した。
    現存生物のゲノム情報解析と遺伝子工学を駆使することによって、絶滅した祖先アザラシのMbを復元することに成功した。
    アザラシMbの進化プロセスを以前解明したクジラMbの進化と比較することで、潜水哺乳類Mbに共通する進化戦略とアザラシ独自の戦略が明らかになった。
    潜水哺乳類Mbが細胞中に高濃度で存在出来るしくみを応用することで、高品質のバイオ医薬品の低コスト生産が期待出来る。

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