学部概要

教員紹介

重森 臣広 教授

専門分野
政治思想

プロフィール
1959年北海道生まれ。中央大学法学部、同大学院法学研究科で政治思想を専攻。1991年、熊本大学専任講師。1994年に政策科学部が設置されると同時に立命館大学へ赴任。
研究・教育

学部時代から比較的思弁的な分野に興味があり、ゼミナールも政治思想史を選んだ。大学院進学後はトマス・ホッブズの研究をはじめ、以来、デヴィッド・ヒューム、ジェレミー・ベンサムなど近代英国の政治思想の研究を続けている。最近は、19世紀英国の社会行政史を政治思想史の観点から捉え返す研究が中心になっている。 政策科学部での主な担当科目は「政治思想」「公共哲学」、大学院政策科学研究科では「公共哲学研究」。どれも古典的な思想家や理論家の著作・理論を素材にした地味な科目ですが、政策科学の基礎体力を養う科目。

主な仕事

David Hume and the 18th-century British Thought, Chuo University Library, 1988(共著); A Bibliographical Catalogue of the Works of Jeremy Bentham, Chuo University Library, 1989(共著); 「ホッブズ―市民的啓蒙の国家像」(『現代世界と国民国家の将来』御茶ノ水書房、1990年);「ホッブズ晩年の孤高の闘い―異端と迫害をめぐって」(『法学新報』96巻9・10号、1990年);「正義の境界―デヴィッド・ヒュームの場合」(『熊本大学教養部紀要』人文・社会科学篇第28号、 1993年);「アダム・スミス」(『概説西洋政治思想史』ミネルヴァ書房、1994年);「ベンサムの国教会批判―その安楽死構想と宗教の自由化論」(『法学新報』101巻5・6号、1995年);「ベンサムの救貧事業論―その営利化と規律主義をめぐって」(『法学新報』107巻3・4号、2000 年);「救貧法制の動揺とワークフェア構想―就労支援の三つの戦術」(『福祉国家再編の政治』ミネルヴァ書房、2002年);「統治における知識と行為― 政策科学の前史から」(『政策科学のフィールド』晃洋書房、2006年);「英国優生運動と統治のレトリック(1)」『政策科学』(14巻2号、2007年);「エドウィン・チャドウィックと困窮および衛生問題―政策分析における知識戦略の転換を中心に」『政策科学』(14巻3号、2007年) F・カニンガム『民主主義理論と社会主義』(日本経済評論社、1992年、共訳);リチャード・タック『トマス・ホッブズ』(未来社、1995年、共訳);A・ヴィンセント『現代の政治イデオロギー』(昭和堂、1997年、監訳);D・ボブロウ+J・ドライツェク『デザイン思考の政策分析』(昭和堂、2001年、単独訳);トマス・ホッブズ『哲学者と法学者との対話』(岩波書店、2002年、共訳); スーザン・モラー・オーキン『政治思想のなかの女』(晃洋書房、2010年、共訳)

メッセージ
政策科学は日本では相対的に新しい学問分野です。めまぐるしく動く「今」の問題を理解し、その解決策を探求するのが政策科学ですが、それは、長い歴史をもつ人間と社会への知的関心の現代的な形態だといってもよいでしょう。新しくはあるが、これまでの人類の知的遺産をしっかりと継承しているこの学問にチャレンジして欲しいと思います。立命館大学では比較的小規模なこの学部の工房的雰囲気も魅力的です。
<お薦め> ロシュフコー『ラ・ロシュフコー箴言集』(岩波書店)・モンテーニュ『エセー』(岩波書店)。どちらも、人間についての深く興味深く、ときには楽しく、ときには悲哀に満ちた洞察を満載した古典的名著。友情、仕事、恋愛、社交―人生の様々な局面で初期近代の二人の文人によって感得された知恵がぎっしりつまっている。
キーワード
政治学、政治思想