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オープンリサーチ「激動の中国環境ビジネスとシステムイノベーション」講演会開催―大学院修了生の創業経験談

5月10日、立命館低炭素戦略研究会主催し、立命館サステナビリティ学研究センターと立命館大学地域情報研究所共催のオープンリサーチ「激動の中国における環境ビジネスとシステムイノベーションー中国での創業経験談」を茨木キャンパスC471で行いました。ゲストスピーカーとして、2009年政策科学研究科は博士前期課程修了生の張冲さんをお招きしました。2012年に浙江省湖州市で「加百列生物科技株式会社」を創業。「産廃問題」に直面する中国の環境汚染問題の解決を求めています。張さんは政策科学研究科へ留学した経験を生かし、激動の中国における壮大な環境ビジネスチャンスをつかみました。現在、自身の企業が推進する都市農村生活ゴミ処理システムを紹介しました。

現在、中国は「空気、水と土壌」の汚染問題に直面しています。中国国務院から2013年、2015年と2016年に発表された「大気十条」「水十条」および「土十条」政策は壮大な環境ビジネスチャンスです。

現在、世界4分の1のゴミは中国が占めます。従来の埋め立て型のゴミ処理方法は、すでに破綻し国にも多大な負担です。張さんは、「ゴミを処理する」の観点に留まらず「どのようにゴミを処理して中国式の循環型リサイクルシステムを構築できるか」を常に念頭に置き解決策を探求しています。

浙江省浦江県(※)と「加百列生物科技株式会社」を連携してモデル事業を展開させるシステムを発想しました。政府と企業の連携を通じて浦江県のゴミ処理は、全県のゴミを一カ所の埋立地に運搬してから処理する「集中型」から、20ヶ所のゴミ処理場でそれぞれ粉砕して処理する「分散型」へ移行させました。さらに、ゴミ収集の事前に、各自分別を行っています。従来の「燃える」「燃えない」のゴミ分別の仕方ではなく、農民に馴染みの「腐敗できる」「腐敗できない」でゴミを分別します。腐敗できるゴミを「加百列生物科技株式会社」が所有する機械を使い、土壌肥料にします。一方、腐敗せずリサイクルできるゴミを再利用して、循環型リサイクルシステムを構築することに成功しました。このように、浙江省浦江県はゴミ処理の大きな経済的な負担から解放され、きれいなまちづくりが実現できています。

張さんは、自分の経験を通じて政策科学における「研究の出口」を示しました。よく聞かれる問題「研究をどのように実際に応用できるのか」の答えとして、実際に中国で展開された環境ビジネスを提示しました。自分の経験談を話すことだけでなく、どのように自身が政策科学研究科で培った経験を自分のビジネスに活かすかについて、心得をオープンリサーチ参加者と共有しました。最後に、「政策科学は分野融合の学問だからこそ、問題解決の際にシステム科学の知識を用いながら一つの分野にこだわらず多角的視野を最大限活かすことができる」と強調する一方、「目先ばかり見るのではなく、常にその先を考えながら研究すべき」と提言しました。

これまで、数多くの賞を受賞されており、後輩にも大きな励みとなりました。

※中国の県は日本の市の下にある区画に等しいものです。