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「モンゴルの外交政策」と「ドローンによる空のイノベーション」合同オープンリサーチを開催

2018年5月31日、モンゴル国立大学国際行政学部長であるバットルガ・スヒー教授および立命館アジア太平洋大学の銭学鵬准教授を大阪茨木キャンパス(OIC)にお招きし、宮脇研究室と周研究室主催、立命館サステナビリティ学研究センターと立命館大学地域情報研究所共催のオープンリサーチが開催されました。バットルガ教授は「モンゴルの外交政策」(第一部)、銭准教授は「空のイノベーションとサステナビリティ―ドローン産業の未来」(第二部)というタイトルでご報告されました。

第一部においては、モンゴルの内政、外交政策について報告が行われました。前半はモンゴルの外交政策に関して、後半は長年同教授が研究の対象とされてきたモンゴルにおけるイスラーム復興運動の現状について報告がなされました。

モンゴルの外交は、隣国である中国およびロシアとのバランスの取れた外交関係を築くことを基本方針としています。中国、ロシア両国に過度に依存することなく、日本、米国、そして欧州諸国はもちろん、ASEAN地域フォーラム(ARF)への参加、欧州安全保障協力機構(OSCE)への加盟に見られるように、「第三の隣国」関係を発展させることがモンゴルの外交政策の基礎をなしています。

モンゴルは人口、318万人のうち、95%をモンゴル民族が占めますが、ウランバートルから西方に1300km離れた場所にあるバヤウルンキー県には約10万人のカザフ民族が暮らしています。彼らはイスラーム教を信仰しており、街中には多くのモスクが見られるといいます。バットルガ教授は、近年、同地域でイスラーム儀礼の実践面をめぐり、世代間で解釈のずれが生じてきていることを強調されました。これまでバヤウルンキー県のカザフ民族は、地域独自の解釈に基づいたイスラーム儀礼を実践してきました。しかしながら、近年、中央アジアなどの地域に留学する若者が増え、そこからイスラームの儀礼、作法を持ち帰った若者がバヤウルンキーの伝統的解釈に異論を唱えるなど、現地では再編の動きが見られてきているといいます。

同教授のご報告は示唆に富み、普段の報道ではわかりにくいモンゴルの内政、外交両面にわたる現状を深く掘り下げるものであり、モンゴルの特殊な文化、地理性と内政や外交政策の関係について深く考える貴重な機会となりました。

バットルガ・スヒー教授

第二部では、銭学鵬准教授に、ドローン産業に関する最新の研究動向についてご紹介頂きました。
近年、小型無人航空機(ドローン)産業は、最も注目されているイノベーション分野の一つとして成長し、多くの産業と社会に変化をもたらしています。さらに、Society5.0の実現に向けた人間中心のスマート社会に向け、ドローンは今後の移動革命の実現およびデータ利活用の推進に中心的な役割を担おうとしています。特に、グローバル・サプライ・チェーンの物流・商流・情報流の三つの側面において、地方創生の糸口として、地方自治体が積極的にドローンを取り入れ、ドローン特区も設立されることにより、あらたな情報流とサービスが見込まれます。一方、ドローンが直近5年間で急速に発展し、技術のみならず、法規制などソフト面の課題も浮上しました。サステナビリティへのトランジションはイノベーションに左右されるため、ドローン普及に対する各国・各地域・企業組織の対応は、まさにイノベーションの研究にとって貴重な国際的対象事案とも言えます。

現在、ドローンは最新の技術として様々な分野(農業、観光、捜査、測量、スポーツ、新聞報道など)で応用されています。しかし同時に、ドローンの応用は安全と法規制などの課題に直面しています。銭教授は立命館アジア太平洋大学ドローン研究会の副会長として、ドローン産業発展の方向性やドローンソリューションに関する研究を着実に進めており、ドローンをどのように安全で合法的かつ有効的に利用できるかについて、参加した院生たちに重要で大きな政策課題を提起することとなりました。

銭准教授講演中