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「資源循環と持続可能な環境戦略RP」オープンリサーチを開催しました

特別講演会「中国の「一帯一路」戦略と文化交流」―蔡建国 教授

7月27日に、立命館大学政策科学研究科「資源循環と持続可能な環境戦略RP」が大阪いばらきキャンパスにてオープンリサーチ「中国の一帯一路戦略と文化交流」特別講演会を開催しました。中国同済大学教授、アジア太平洋研究センター名誉所長、上海市人民政府参与である蔡建国先生を講演者としてお招きしました。

2013年、習近平国家主席は、「中国は平和的発展の道を歩み続け、発展の成果を共享し、互恵・win-winの解放・発展戦略を貫き、各国との友好交流を強化し、人類運命共同体を構築する」という発想のもとで、新たな外交戦略の一環として、「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海上シルクロード」からなる「一帯一路」という構想を打ち出しました。

蔡先生はまず、「一帯一路」構想の概況と意義から解説し、同構想の最大の背景は、中国が一層の対外開放を契機とし、政策、施設、貿易、資金、民心のコネクティビティを経絡として、急速に発展する中国経済と沿線諸国の利益を結びつけ、中国の夢とユーラシアの夢、世界の夢とを共に織り成すよう力を尽くしてゆくことであると強調しました。「共に検討、共に建設、共に享受する原則」により、中国の独奏ではなく、沿線各国によるコーラスであることが重要であるとしました。同構想の沿線には、60数カ国があり、総人口は44億で、世界63%を占め、GDP総額は21兆ドル、世界の29%を占めます。更に、同構想では、経済協力のみならず、エネルギー・環境・食料など複数の分野においても、日中韓をはじめ、東アジアの地域協力が巨大なポテンシャルを持っていることが説明されました。

次に、蔡教授は文化の視点から「一帯一路」戦略を解説しました。古シルクロードは、世界の主要な文化の母胎であり、東西文明の架橋でありました。シルクロードの各地に現れた文化は、キャラバンによって東西各地に伝えられ、様々な文化変容を受けながらも、各地の文化を向上し促進させました。一方、「一帯一路」構想が世界の多極化、経済のグローバル化、文化の多様化、社会の情報化という流れに沿うものであり、開放的な地域協力理念をもって、グローバルな自由貿易体系と開放型世界経済の維持に取り組んでいますが、実は構想の最も重要な目的及び推進力は、各国の国民の間の文化交流を作り出すことであるという論点が出されました。そこで、近年、中国語ブーム(漢語熱)の背景の下、文化の多様化に応じて、文化交流及び多文化共存・共生・共栄を根底とした孔子学院の発展を例として説明しました。立命館大学政策科学部の周瑋生教授が初代学院長を務めた立命館孔子学院はその成功事例として挙げられました。

その後、蔡教授から文化は日中関係を結ぶ紐帯であり、文化の交流は両国国民の相互理解及び両国関係の発展に重要な役割を果たすべきであると話しました。更に、日中両国文化交流を振り返って、文化の交流が主に3つの段階に分けられるとし、すなわち、古代においては、主として日本が中国に学び、一方近代(明治維新以降)になると、中国が日本に多くの留学生を派遣し、様々な分野から日本を学び取った、しかし、現代においては、日中両国が相互勉強の時代に入っているとしました。「一帯一路」構想において、経済・エネルギー・環境・福祉分野などでの日中協力が促進でき、特に文化・人文の交流に大きな期待が寄せられます。また、日中文化交流において、在日華人・華僑及び留学生のネットワークが果たす役割を重視しなければならないことも指摘されました。

最後に、立命館大学政策科学研究科「資源循環と持続可能な環境戦略RP」に所属している院生が、エネルギーや環境、低炭素社会・食料などの視点から、各自の研究テーマを紹介しながら、研究の手法・現実的意義及び留学生の勉強生活について蔡教授と深く交流しました。