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研究入門フォーラム・政策科学特別実習 ベトナムプロジェクト現地調査

政策科学部2回生の小集団演習科目である研究入門フォーラムでは2013年度にベトナムプロジェクトを設定しました。日本の投資先として注目されているベトナムについて、持続的な経済発展を達成するための方策を、日本の金融政策との比較から検討する課題を1年間に渡り検討しています。その一環の「政策科学特別実習」として、4名の受講生が2013年9月14日~23日に渡り、本学部教員の豊田祐輔准教授、鐘ヶ江秀彦教授とともにベトナムのハノイ、ホーチミンを中心に訪問調査を行いました。

本調査の主な目的は、①日本のマスメディアや書籍、インターネットで流されている情報が、どの程度、現地の実情を反映しているのかを確認すること、②現地銀行ならびに銀行の融資先となる企業等への聴き取り調査から、ベトナムの金融システムの現状をより詳細に把握すること、③受講生が考えているベトナムへの金融システムの今後の課題や提言についてベトナム人と意見交換をすることでした。

首都ハノイでは、ベトナム国家大学ハノイ校経済学部の教員や学生と意見交換を行い、ベトナムや日本の金融システムについて意見交換を行いました。立命館大学ハノイ校友会との交流会では、現地で働いているOBやスペシャルゲストとして参加した日系金融機関に務めている日本人から見たベトナム経済やベトナム人の国民性について議論しました。またジェトロ・ハノイ事務所を訪問し、日系企業によるベトナム進出に関わる情報を中心に聴き取りを行いました。さらにハノイ郊外の現地銀行、現地企業や日系企業向上を視察し、原材料の調達や資金の入手手段など銀行と企業に関わる現地の事情について積極的な質疑応答を行いました。

経済的中心地であるホーチミンでは、ベトナム国家大学ホーチミン市校において、ベトナムにおいて得た知見を、経済やビジネスを学ぶ学生へ発表し、意見交換を行いました。また現地の合弁銀行や建設系外資企業への聴き取り調査を実施し、外資系企業がベトナムへ進出する際に当たっての有利な点について質疑応答を行いました。立命館大学サイゴン校友会との交流会では、日本におけるベトナムに対する印象と現地で働いている日本人が直に感じる印象の違いなど、現地でしか知りえない情報を得ることができました。

今回の訪問調査先は受講生たち自身で決めた研究テーマに合わせて決定され、日本における文献調査と調査デザインを踏まえた明確な目的意識をもって現地調査に取り組みました。特に、ベトナムは社会主義国家であるものの、ドイモイ政策による市場経済の受入や外資依存という経済構造などから、金融システムにおける重要な課題を発見することができました。また、このような研究知見を得られただけでなく、悪戦苦闘しながらもベトナム人へ英語で自分の意見を伝え質問をすることにより、今後、様々な場で活躍するために必要な貴重な経験を積めた現地調査となりました。最後に、訪問受け入れにご協力いただいた現地の大学、銀行、企業の皆さま、訪問するにあたって現地企業とのコーディネートをしていただいたAPUのOGの方、そして、立命館大学校友会の皆さまに、この場所を借りて厚く御礼申し上げます。


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