MIN Chieh

閩 倢

閩 倢
所属学部
総合心理学部
職位
特任助教
専門
知覚心理学
主な担当科目
心理学実験II
おすすめの書籍
現代がわかる心理学北岡明佳(著)

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

知覚心理学における錯視研究を行っています。
現時点は一枚の画像でありながら複数の奥行きの見え方が可能な「遠近性反転錯視圖形」の研究に専念しています。
技術的観点から言えば、画像をシルエットにすることで、物体の奥行きを分からなくする錯視現象であるため、研究者からは「シルエット錯視」という愛称で親しまれています。
また、シルエットにされた物体をさらに回転させると、運動奥行き効果(kinetic depth effect)という現象が生じます。一見すると、動的なシルエットは正体不明の黒い塊が蠢いて見えますが、視覚系はその黒い塊を立体構造に復元できる不思議な力を持っていて、とても面白いと思います。

どんな学生時代を送っていましたか。

大学3回生の夏休み(台湾では9月から新学年がスタートするので、4回生になる直前)にゼミに入って、心理学史の研究をし始めました。
日本統治時代において台湾原住民に対する知能検査についての考察を行って、台湾の心理学は戦前から日本に大きな影響を受けてきたのだと実感しました。
残念ながら、日本に関する研究を行いましたが、日本語の勉強をしませんでした。
日本に来てから、「その時もっときちんと日本語を勉強すればよかった」と後悔することもありますが、大学時代には留学という選択肢を視野に入れなかったから、しょうがないですね。

現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

修士時代に修論のテーマに悩んでいた時、錯視専門家である北岡先生の作品が載っている雑誌を読んで、錯視研究に興味を持つようになりました。
面白いかどうかは人によって意見が分かれるところですが、錯視研究は心理学分野の中でも数少ない「殆どの人が目に見えて共感できる」テーマの一つだと言っても過言ではないでしょう。

高校生へメッセージをお願いします。

学習とは、自分の可能性を発掘して、広げるためのものです。
立派な成果を出し、周りに認めてもらい、世間のニーズに応えることも大切ですが、何事にも情熱を持って、理解し、行動することで、答えを探そうとする姿勢は、より多くの価値を生み出すと信じています。
私と同じ誕生日の夏目漱石先生の言葉を借りると、
「真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行え。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現わるべし。」

経歴・業績について