OGUNI Ryuji

小國 龍治

小國 龍治
所属学部
総合心理学部
職位
特任助教
専門
発達心理学、感情心理学
おすすめの書籍
道徳の自然誌勁草書房 ジャスト・ベイビーNTT出版 ベーシック発達心理学東京大学出版会

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

ヒトの社会性や感情の発達について研究しています。ここでは感謝という感情の機能を扱った研究を紹介したいと思います。

私たちは他者から思いやりのある言動を受けとったとき感謝の気持ちを経験します。感謝は他者を思いやる行動 (専門用語では向社会的行動と言います) を促進し、良好な対人関係を形成することに役立ちます。では、感謝はどのように向社会的行動を促進するのでしょうか?これまで私が取り組んできた研究では、感謝が向社会的行動を促進する背景に複数の心理過程が存在することを示しました。また、その心理過程は子どもと大人で異なることも明らかにしました。

私はこうした試みを通して、我々ヒトの社会がどのように構築・維持されているのかを理解するための手掛かりを提供したいと考えています。また、それは科学的根拠に基づく教育臨床実践を効率的かつ効果的に社会に普及させるための基礎的知見を提供することにも繋がると考えています。

どんな学生時代を送っていましたか。

どちらかというと勉強よりも、それ以外のこと (クラブチームやサークルでバスケットボールをしたり、友だちと遊んだり) に多くの時間を割いてきたので、皆さんのお手本になるような学生時代は送っていないように思います…。ですが、人と話すことは好きだったので、例えば、ゼミで積極的に質問をしたり、大学院への進学を考え始めた頃には学会に参加して色々な大学の研究者と議論したりしていました。また、大学院 (修士課程) では臨床心理学を学びたいと思っていたので、児童相談所や適応指導教室での勤務も始め、心理学との関わりを少しずつ増やしていきました。振り返ると、じっくり椅子に座って勉強する時間は少なかったですが、その分、人と人との繋がりの中で、多様な価値観や考え方を知ることができた学生時代だったと思います。

現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

学部と修士課程では臨床心理学を専攻し、児童相談所や適応指導教室などの教育臨床現場での実践活動に取り組んでいましたが、その中で研究活動の重要性を痛感する機会に度々遭遇しました。一見、大学の実験室などで行われる研究活動と病院のカウンセリングルームなどで行われる実践活動は遠く離れた関係に見えますが、科学的根拠に基づく教育臨床実践を行うためには研究と実践の両立が欠かせません。そこで、よりレベルの高い指導を受けたいと考え、基礎心理学の研究教育活動に力を入れている大学の博士課程に進学し、ヒトの社会性や感情の発達に関する基礎研究に取り組みました。研究と実践の両立を重視する先生方が周囲に多くいらっしゃったことも良かったのかもしれません。

高校生へメッセージをお願いします。

人生はガラリと変わることがあります。色々なものに触れ、巡り合いの中で生きていってみてください。そして、なんでもよいので好きになれそうなことや面白くなりそうなことがあれば、次にそれを続ける努力をしてみてください。続けることはとてもとても大変ですが、それは皆さんが思っている以上の収穫があると思います。人生を楽しんでください。

経歴・業績について