OISHI Hiroaki
専門分野は心理言語学です。心理言語学は、言葉を読んだり聞いたり話したりする際に起こる様々な現象を研究対象とし、実験心理学的手法を用いて仮説の検証を行います。私は特に文レベルの言語の処理に興味を持っており、人が文を読んでいる際の脳波を測定し、脳波の色々な成分を指標として、脳がどのように文を処理しているのかを明らかにしようと努めています。
高校生の時はテストで良い点数を取るのが楽しくて、我ながら良く勉強していたなぁと思います(ガリ勉という感じではありませんでしたが)。
そのおかげで第一希望の大学に入学できたのですが、入学後はパタッと勉強しなくなり、学部生時代はほとんど授業にも出ず、のらりくらりと過ごしていました(良い子は決して真似をしないように)。
そのせいで1年留年しましたし、大学院入試にも失敗して1年間大学院浪人生活を送りました。大学院浪人となってようやく所属研究室(言語学講座)に足を運ぶようになり、院生の先輩から色々と教えてもらっているうちに言語学の面白さを知り、気付いたらどっぷりとハマり、博士号取得まで突っ走りました。
学部生の時に受けた、大学院時代の指導教官の講義がきっかけでした。
心理言語学概論という名の講義で、その中の1つのトピックとして取り上げられた失語症の話に特に興味を持ち、指導教官の研究室のドアを叩きました。
卒業論文は指導教官とは違う先生の指導の下で書いていたのですが、大学院に進学したら失語症の研究をやってみたいと告げたところ、「失語症の研究は患者さんありきの研究だから付属病院を持つ医学部でもないと無理」と言われました。それを聞いてガッカリしていると、「失語症は無理だけど、脳波測定実験なら出来るよ?」と言われ、言語と脳の関係について漠然と興味を持っていたので「じゃあ、それで。」と答えたことが全ての始まりでした。
某スポーツドリンクの2015年のCMで使われ、
共感を呼んだ「私はまだ何者でもない。
だから、何にでもなれる。」というワンフレーズが雄弁に語るように、
若い皆さんは可能性に満ちあふれています。
大学での学びは皆さんが「何になるか」を決め、
それに向かって走るにあたって重要な役割を果たすことになるでしょう。
大学には知的好奇心をくすぐるものが溢れています。
興味を持てるものを見つけて、好きなだけ学んで下さい。
そのお手伝いが少しでも出来れば幸いです。