所長室から

着任のあいさつ

2019年4月1日付けで、AJI所長に着任した小杉泰(こすぎ・やすし)です。立命館大学という素晴らしい大学と、アジア・日本研究所という新しい熱気あふれる研究組織に加わることができ、とても光栄に思っています。年配でも新人ですので、よろしくお願い申し上げます。

古くからの知り合いであった渡辺公三先生にお声がけいただきましたが、渡辺先生は不意に2017年12月に帰らぬ人となりました。深い悲しみを感じるとともに、渡辺先生に託された責務をいっそう重く受け止め、研究所の発展に尽くべく決意を新たにしたことを思い出します。

私たちは今、「アジアの世紀」を生きています。また、とどまるところを知らないデジタル化、グローバル化の時代の波に、時に翻弄されながら、時に批判的考察をおこないながら、生きています。研究所のめざすものも、激しく動く現代というものと、そのような刹那の流れには動かされないような確かな知識と文明的な英知とに、しっかりと対応している必要があります。

若手研究者を育てること(そのために尽力すること)は、この研究所の責務の1つです。とはいえ、研究の世界にも、変わらぬものと激しく変転するものがあります。私自身の半世紀に近い研究生活の中から若い皆さまに役立つ知恵が出てくる場合も、私が若い皆さまから今という時代について学ぶこともあります。

とりあえずの目標としては、研究所を「知的刺激のアリーナ」であると共に「楽しく研究できる場」として、発展させたいと思っています。是非、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

(2019.6.3記)