研究プロジェクト紹介

共創領域

土砂・河川災害減災に向けた日越を中心とするアジア研究拠点の構築

プロジェクトリーダー
理工学部

里深 好文 教授

アジア各国の防災研究の成果が一堂に会する拠点を構築

近年、地球温暖化に起因する気候変動によって、自然災害が多発化、激甚化し、日本のみならず東アジア、東南アジア全域で社会基盤をおびやかす問題となっています。本プロジェクトは、アジア各国の防災対策に資するために過去10年にわたり立命館大学とベトナムのホーチミン工科大学で進めてきた共同研究の成果をアジア全体に広げる研究拠点の構築を目標としています。すでに安定的かつ継続的に構築されてきた研究ネットワークに、インドネシア・台湾・オーストラリア・ネパールの研究者とその所属する大学や研究機関を巻き込み、新たに環太平洋土砂災害研究ネットワークを構築し、その中核として機能しようとするものです。

プロジェクトではまずアジア各国における土砂災害・河川災害の現状を調査・分析し、河川災害軽減に向けた効果的な流域管理手法・予測手法の確立、現地発生材を活用した経済的かつ効果的な防災対策工法の開発を目指します。また、プロジェクトメンバーが一堂に会する合同セミナーを毎年ベトナムで開催し、知識の共有や人的交流を図るとともに人材育成にもつなげたいと考えています。

防災対策は、国ごとの気候条件、地理条件、さらには文化や風習などの違いによって方法論が異なります。そのため、ある国の研究成果をそのまま他国に適用してもうまく機能しませんが、一方で他国の研究を自国に合わせた形で取り入れることでて有効な防災対策につなげることが可能です。気候条件が年々厳しくなり、強固なダムや堤防だけでは完全に被害を防ぐことが不可能となった日本でも、人的被害を最小限に抑えるという発想に基づくアジア諸国の防災研究から学ぶべき点も多いと考えています。そのためにも多様な国の研究者が集い、問題を解決する拠点が必要です。

防災対策を実現するには民間企業との連携も欠かせません。調査会社、メーカー、施工業者など、防災に関わる幅広い業種の民間企業と、実質的な関心や熱意に基づく連携を進めていきたいと考えています。

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