研究プロジェクト

稲盛経営フィロソフィに基づく
企業変革マネジメントの有効性に係る研究

プロジェクトリーダー:依田 祐一

依田 祐一

メンバーリスト

リーダー
依田 祐一立命館大学経営学部 准教授
メンバー
木谷 重幸京セラ株式会社、経営研究部責任者、立命館大学経営哲学研究センター 研究員

研究プロジェクトの概要(目的・目標(成果))

本研究プロジェクトのねらいは、稲盛氏が追求してきた従業員の幸福を第一とする企業理念、同氏のアントレプレナーシップや利他的思想などに着目し、同氏の経営フィロソフィに基づく企業変革のマネジメントが、組織パフォーマンスの向上、企業業績の向上につながるメカニズムとそれを裏付けるロジックを明らかにする点にある。

具体的には、同フィロソフィに基づく経営は、いざ企業変革の局面、企業合併や企業再生といった試練において、その有効性がより発揮されうる場合があるのではないか、試練を乗り越える原動力につながるのではないか、という問題意識を有する。実践的には、企業の理念やフィロソフィは、企業グループの固有性が強いが、企業の枠を超えたフィロソフィの共有、加えて試練の局面におけるその有効性のメカニズムについては、学術的な蓄積が十分とは言えず、この点において学術的な意義を見出せよう。

社会的な意義としては、企業成長に欠かせない企業の変革局面におけるマネジメントあるいは経営システムとして、同フィロソフィに基づく経営の実践的な含意が共有される点である。

研究事例として、京セラグループは、京セラミタ社の企業再生・変革を成功裏におさめており、本研究プロジェクトにおいて学術論文 “Philosophy-based corporate transformation: The case of Kyocera MITA Corporation”を刊行した。また日本航空(JAL)においては、グループ企業としてではなく、独立した企業として、稲盛氏の経営フィロソフィを援用したJALフィロソフィに基づき企業変革を果たした実践事例であり、学術的な深堀を要する。本研究プロジェクトにおいては、JALの企業変革事例に特に着目する。


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