ロボットから人間に関心が移り
生体計測の研究へ
「ロボットを作りたい」という夢を抱いて立命館大学理工学部ロボティクス学科に入学しました。4回生まではロボットの研究室に所属していた私が現在の専門分野である生体計測に興味を持ったのは、牧川方昭先生との出会いがきっかけです。
卒業研究に取り組んでいた時、同じ建物内にあった牧川先生の研究室で、先生が作られた機械を目にしたことで、その後の進路が大きく変わりました。その機械は、人が乗って操作するような、いかにも「メカ」といったかたちをしながら、人間の動作に協調して動くものでした。機械を正確に動かすことも難しいけれど、人間の動作を機械に理解させ、その通りに動かすのはさらに困難な課題です。それまでロボットや機械を作ることに焦点を当て、人間と機械との関係性を意識したことのなかった私には驚きで、「あんなものを作る研究をしたい」と一瞬にして引き込まれました。人間の動作をいかに計測するか。それを考えるうちに、いつしか関心はロボットから人間そのものに移り、研究テーマも生体計測へと変わってきました。何より牧川先生のもとで学びたくて、博士課程前期課程に進学する時、生体計測の研究室を志望しました。