未来に続く研究者への道
田丸雅一さん(理工学研究科 博士課程前期課程1回生)
「錯体科学会第61回討論会」でポスター賞を受賞!
田丸さんは、今年9月17日(土)~19日(月・祝)に岡山理科大学で行われた「錯体科学会第61回討論会」でポスター賞を受賞されました。
これは錯体化学の分野を発展させる目的で毎年行われているもので、その中のポスター発表では、日ごろの研究成果をポスターにまとめ、ランダムに来られる審査員や研究者の方々に向けて説明していく。2日間の日程で行われ、全国から100以上の大学や研究所が集まり、300以上あるポスターの中から、選ばれた研究者約10名に送られる特別な賞です。
田丸さんは普段、金錯体に液晶性質を追加し、分子の構造や並び方で様々な色の発光に変化する特性についての研究をされています。生命科学部応用学科の堤治先生の薦めもあり、今回のポスター発表では、「環状三核金錯体の液晶挙動と相転移を利用した発光特性制御」というタイトルで発表を行うため、研究成果の見やすさ、色合いにもこだわったポスターを完成させました。
流動性の性質を持つ「液晶性」を追加することで、熱や電気といった外部からの刺激によって分子の並び方を制御することができれば、そこに紫外光をあてることで、様々な色の発光を発生させることができると考え、研究を行っています。田丸さんのブースを訪れた参加者や審査員の方からは何度も「研究内容が面白い」と評価をいただいたそうです。実はこの討論会の1週間前、別の学会に参加した時には、特に受賞などされなかったそうなのですが、規模も大きく人数も多いこの大会でポスター賞を受賞できたことが、田丸さん自身にとって、非常な驚きであり、大変うれしかったそうです。
またポスター展では、田丸さんが悩んでいた研究箇所に対するアドバイスを得る事も、もう一つの目的だったそうです。研究者の方から様々な意見をもらえたことで、今後のやる気にもつながり、実験室の環境が整い次第、アドバイスを元に研究をさらに進めていきたいと話されていました。
今後の目標は、今、行っている研究課題を一つ一つクリアし、解決していくこと。将来は材料分野の研究者として新しいものを開発し、活躍したいという夢を持つ田丸さん。最近は年々薄型になっていく「液晶ディスプレイ」に、特に興味を惹かれ、最新版がでると思わずチェックをしてしまうようです。
中学生の頃に抱いた「新素材を作りたい」という気持ち。その気持ちを持ち続けながら、研究者としての道を、一歩一歩、着実に歩まれています。