• 796 -  パラリンピックを目指すランナーと伴走者。「走ること」を通じて強まる絆。

    パラリンピックを目指すランナーと伴走者。「走ること」を通じて強まる絆。

  • 795 -  「エッジコンペ2016」で賞を逃したことを機に、さらに結束、アイデア実現に挑戦し続ける

    「エッジコンペ2016」で賞を逃したことを機に、さらに結束、アイデア実現に挑戦し続ける

  • 794 -  文武両道で西園寺育英奨学金を受給。サッカーにかける思い

    文武両道で西園寺育英奨学金を受給。サッカーにかける思い

  • 793 -  薬の正しい知識と付き合い方を知ってもらいたい、 薬物乱用防止キャンペーンを各地で実施

    薬の正しい知識と付き合い方を知ってもらいたい、 薬物乱用防止キャンペーンを各地で実施

  • 792 -  「減災・防災を意識するきっかけに」 災害時用の笛を5000個製作

    「減災・防災を意識するきっかけに」 災害時用の笛を5000個製作

+Rな人記事一覧

361 -  教育の格差を是正する一歩に!

教育の格差を是正する一歩に!

日野貴博さん(経済学部4回生) 写真:左 学習支援ボランティア団体Atlas代表

森田和之さん(経済学部3回生) 写真:右 学習支援ボランティア団体Atlasのメンバー

大津市と守山市の生活保護世帯の子どもたちに向けた
学習・進学支援のボランティア活動を行なう

  • No.361
  • 2012年3月5日更新
(日野さん)
僕たちは行政の方と協力しながら、滋賀県の大津市と守山市で生活保護世帯の子どもたちの学習・進学支援のボランティア活動を行なっています。
大津市では、生活保護世帯の中学校3年生を対象とした「中3学習会」を、守山市では生活保護世帯の小学校6年生から中学校2年生までを対象とした「第二の学校」を開校しています。今日は、守山市の「第二の学校」の活動についてお話しします。

(森田さん)
第二の学校は週1回、夕方に行われ、一緒に学校の宿題をしたり、教材を使ってマンツーマンで勉強を教えるほか、さまざまなレクリエーションを行い、みんなと遊んでいます。今年度は小学校6年生から中学校2年生までを対象にしていましたが、次年度以降は小学校5年生から中学校3年生までに範囲を広げて、参加する子どもたちを募集していく予定です。

「子どもたちの視野を広げる」ことを根本におき、勉強を教えるだけではなく、子どもたちに良いと思ったものであれば、映画や本や音楽なども積極的に取り入れて活用しています。現在のボランティアスタッフは、立命館大学・滋賀医科大学・龍谷大学から計10~11人程度。でも、メンバーはまだまだ足りていないのが現状です。
参加してくれる子どもたちと関わりながら、勉強だけではなく、学校のことや今日あった出来事など、みんなの話を引き出せるように心がけています。
心を開いてもらうためにも、子どもたちの話に耳を傾けるように心がけています。


(日野さん)
生活保護世帯の子どもたちは、両親が共働きで忙しかったり、経済的に苦しくて塾に通えなかったりするため、学校のことを話す存在が身近にいない場合が多いんです。代わりに僕たちが子どもたちの思いをぶつけられる存在になれたらいいなと思っています。

慣れてくると子どもたちは、話題を振らなくてもどんどん喋ってくれますし、僕たちスタッフも子どもたちも本当に楽しく過ごしています。まず「第二の学校」が、楽しい場でないと子どもたちも来なくなります。すると勉強ができずに進学に支障が出て、それが将来へとつながっていってしまいます。
その負の連鎖を防ぐためにも活動を続けていきたいですし、実際、今は最高の仲間が集まっていると思います。

守山市の活動は今年の1月に始まったばかりですが、大津市の中3学習会は今年で5年目を迎えます。一般世帯の高校への進学率が約9割5分以上なのに対し、生活保護世帯の高校への進学率は約8割程度。しかし大津市の中3学習会で学んだ生徒たちは、これまで全員、高校に進学しています。大津市は対象世帯数が比較的多いのにも関わらず、この結果は、誇れるものだと思いますね。

――活動のやりがい(魅力)と難しさを教えて下さい。

(森田さん)
僕はずっと教職課程を受講してきたので、理論だけではなく、実践力を身につけたいと考えていました。この活動に関わり、これが本当にやりたかったことだと気付くことができました。楽しく自由に教えられるところが何よりも良いですね。
ただ、子どもたちの意欲を出させるのに時間がかかります。限られた時間の中で、いかに勉強に興味を持ってもらうか、その方法を一生懸命考えています。自分の視野を広げるために、いろんなものを見たり、本を読んだり。教える力や教養も問われるので、いい勉強になりますね。

(日野さん)
人数の多い学校では、いろんな子どもたちがいて、先生も忙しいため、全員まで目が行き届かない場合もあると思います。そこが現場の難しさや課題でもあります。活動を通じて、学びたくても学べる場がない子どもたちを支える場所が、学校以外にも必要だと思います。あと、生徒に勉強の面白さをわかってもらえない時は、教える難しさを感じますね。


――お2人の信念や今後の目標をお願いします。

(森田さん)
「楽しい場にしたい」と思っています。ふざけるのではなく、学びの場として、子どもたちにも楽しいと感じてほしい。今後は「第二の学校」で体育祭や文化祭を行い、名前通り「学校」のような場所にしていきたいです。いずれは「すごい学校がある!」と言われるようにしたいですね。

(日野さん)
毎回子どもたちに来てもらえるよう、自分ができる事を考えながら活動を続けています。それが、長期的に見て、将来を担う子どもたちのためになると思うからです。
これからも、こういった活動が広がっていって欲しいです。そして、将来を担う子どもたちに寄り添う人が、もっと日本中で増えてほしい。まず滋賀から活動拠点を広げていきたいです。



――最後にお2人からメッセージをお願いします。

(日野さん、森田さん)
活動に少しでも興味がある人は、ぜひ教職支援センターに来てください。見学もやっていますし、飛び込み見学でも構いません。今年度の「第二の学校」は、3月13日(火)まで。毎週火曜日の18時から、滋賀県守山市のJR守山駅近くのプラザで活動を行っています。あなたを変える出会いは、必ずここにあります!

              ~お知らせ~

「中3学習会」「第二の学校」では、学生ボランティアスタッフを募集しています!活動に興味のある方は、こちらまでお問い合わせ下さい。
(見学も大歓迎です!)

○学生支援ボランティア団体Atlas(連絡先)
camphora12@gmail.com



  • 取材・文
  • 中村仁美(政策科学部2回生)

最近の記事

  • 何かに熱中する 学生生活を 手に入れろ 2016年度クラブ・サークル紹介

    何かに熱中する 学生生活を 手に入れろ 2016年度クラブ・サークル紹介

  • 駅伝に新たな歴史をつくる 女子陸上競技部

    駅伝に新たな歴史をつくる 女子陸上競技部

  • 戦後70年 第62回「不戦のつどい」

    戦後70年 第62回「不戦のつどい」

  • アメフト日本一を手に入れろ! RITSUMEIKAN PANTHERS 2015

    アメフト日本一を手に入れろ! RITSUMEIKAN PANTHERS 2015

  • タバタトレーニング

    タバタトレーニング