• 796 -  パラリンピックを目指すランナーと伴走者。「走ること」を通じて強まる絆。

    パラリンピックを目指すランナーと伴走者。「走ること」を通じて強まる絆。

  • 795 -  「エッジコンペ2016」で賞を逃したことを機に、さらに結束、アイデア実現に挑戦し続ける

    「エッジコンペ2016」で賞を逃したことを機に、さらに結束、アイデア実現に挑戦し続ける

  • 794 -  文武両道で西園寺育英奨学金を受給。サッカーにかける思い

    文武両道で西園寺育英奨学金を受給。サッカーにかける思い

  • 793 -  薬の正しい知識と付き合い方を知ってもらいたい、 薬物乱用防止キャンペーンを各地で実施

    薬の正しい知識と付き合い方を知ってもらいたい、 薬物乱用防止キャンペーンを各地で実施

  • 792 -  「減災・防災を意識するきっかけに」 災害時用の笛を5000個製作

    「減災・防災を意識するきっかけに」 災害時用の笛を5000個製作

+Rな人記事一覧

516 -  “本”を英語で表現し、英語で人の心を動かす ~英語でビブリオバトル@BKCを開催!~

“本”を英語で表現し、英語で人の心を動かす ~英語でビブリオバトル@BKCを開催!~

木村修平さん(外国語嘱託講師・英語)
知的書評合戦「ビブリオバトル」英語版の普及に取り組む 

  • No.516
  • 2013年4月23日更新
参加者が好きな本を持ち寄って1人5分間で本を紹介し、どの本を一番読みたくなったかの投票を行い、一番多く票を集めたものをチャンプ本とするビブリオバトル。一見、読書を行うことが目的のように聞こえますが、真価は違うところにあります。「人を通して本を知る、本を通して人を知る」のキャッチコピーの通り、本の選び方や紹介する切り口、発表の仕方などによってその人の個性を知ることができる読書を通じた新しいコミュニケーションの方法なのです。考案者である情報理工学部の谷口忠大先生とツイッターを通してつながり、ビブリオバトルに興味が湧き、私自身も何度かバトルに出場しました。そこで、ただ好きな本を紹介するのではなく、どんな言葉で人を巻き込むのかを実践する面白さと難しさを体感し、その魅力にはまってしまいました。

同時に、このビブリオバトルを英語で開催したらどうなるか?と考えました。日本人の、英語で言葉を積み上げて人を突き動かすエネルギーの弱さを感じていたため、それをビブリオバトルで鍛えることができるのではないかと思ったのです。

実際に、留学生やベンチャー企業の社長を招いて英語でビブリオバトルを開催した際、新たな発見がありました。それは論理の立て方云々よりも、日本語の情報の圧縮効率の高さ ―― つまり、普段私たちがいかに「暗黙の了解」的な、言わなくても伝わる情報に頼ってコミュニケーションを取っているかということです。同じ文化を共有する人が集まる空間で言葉を発したとき、言葉以上の事柄が相手に伝わります。しかし、英語で伝えようとするとき、日本語で話すのと同じ感覚で文章を設計すると、”言葉足らず”が露呈してしまうのです。ですから、違う関心領域を持つ人が集まる場において英語で本を紹介しようと考えたとき、その本の著者はどんな人物か?その本からどういう情報が得られるのか?なぜその本が売れているのか?などの一つ一つの情報を丁寧に説明する必要があります。それを踏まえて、5分という限られた時間にどれくらいの情報量を分かりやすく詰め込むか。そこに英語でビブリオバトルをする魅力と難しさがあると考えています。

また、英語で行うビブリオバトルは英語学習の具体的な目標になり得ると思います。TOEICやTOEFLなどの試験で具体的な点数を取ると決めても、向かい合うのは単語帳や参考書。けれど、ビブリオバトルで向かい合うのは人。身振りや話し方など言語以外の部分も含めて、英語でプレゼンテーションをするという目標に対して努力できます。自分の考えを英語で語るというのはとても難しいですが、「本の紹介」だと話しやすくなります。「英語で5分間話し続ける」という非常に難しい目標を、ビブリオバトルは達成させてくれるのです。

ここで大切なことは、学習成果をきちんと記録するということです。プレゼンテーション型の学びは達成感こそ大きいものの、学習成果が空中に消えてしまうことが多いのです。動画で記録して振り返れば、英語力だけでないあらゆる力の”伸び”を感じることができると思います。



4月26日(金)に、私が顧問を務める自主ゼミの「P5(English Presentation Workshop)」が「英語でビブリオバトル@BKC」を開催します。当日は、学生、留学生、教職員など6名が出場する予定です。プレゼンテーション後の投票は、来場者も含めた全員で行います。出場者は、決して英語が得意な人ばかりではありませんが、できる限りの言葉を尽くして考えを人に伝えるべき立場にあります。自分の母語でない言語で必死に伝え、相手から評価をもらう。そこで、英語で人の心を動かすには何が大切かを初めて考えることになるのではないでしょうか。それが“英語を知っている”から“英語を使える”への第一歩なのです。ぜひ学生の皆さんには「英語でビブリオバトル」を見に来て、体感してほしいと思います。

学問とは伝統の継承です。いずれは「英語でビブリオバトル」を言語コミュニケーション教育の一環として伝統にしていきたいですし、国際交流の機会としても確立されたら嬉しいですね。


英語でビブリオバトル@BKCの詳細


日時:4月26日(金) 18:00~19:30
場所:マルチルーム(アクロスウィング内)
主催:英語プレゼンワークショップ自主ゼミ「P5」 http://mep.papiko.com/p5/

-Date: April 26, 2013 Fri. 18:00-19:30
-Place: Multipurpose Room in Across Wing, Ritsumeikan BKC
-Presenters: 2 Students / 3 faculty members / 1 intl. student
-This event is held by a student group at BKC, P5. http://mep.papiko.com/p5/

Facebook公開ページ↓
http://www.facebook.com/BibliobattleEnglish?ref=stream
  • 取材・文
  • 樽見彩加(文学部4回生)

最近の記事

  • 何かに熱中する 学生生活を 手に入れろ 2016年度クラブ・サークル紹介

    何かに熱中する 学生生活を 手に入れろ 2016年度クラブ・サークル紹介

  • 駅伝に新たな歴史をつくる 女子陸上競技部

    駅伝に新たな歴史をつくる 女子陸上競技部

  • 戦後70年 第62回「不戦のつどい」

    戦後70年 第62回「不戦のつどい」

  • アメフト日本一を手に入れろ! RITSUMEIKAN PANTHERS 2015

    アメフト日本一を手に入れろ! RITSUMEIKAN PANTHERS 2015

  • タバタトレーニング

    タバタトレーニング