私は入学前、韓国で働いていましたが、大学に行きたいと思うようになり、せっかく大学に行くなら留学したいと思いました。夏休みを利用して京都に来て、スポーツ・福祉・教育などいろいろなことが幅広く学べる産業社会学部に入学したいと思いました。せっかく留学したのだからと、1回生のときは日本全国のいろいろな講演会に参加しましたが、疲れたわりには何かが身についた実感はあまりありませんでした。もっと自分がわくわくできる主体的な活動をしたいと思っているときに、前会長からの推薦で立命館大学 韓国人留学生会 会長になりました。

同じ韓国人留学生でも、学部が違うとお互い知らないということも多いので、ネットワークをつくるために交流や情報交換をしています。学園祭に出店したり、他大学の留学生も交えて運動会をしたり、今年は講演会や就職説明会を企画して、先輩の体験談を聞いたりしました。今後は、ボランティア団体を立ち上げようと計画しています。留学生の中にもボランティアをしたいという人は多いのですが、時間やお金がかかることは難しいので、田舎での農業支援など、じっくり取り組めることをやりたいと考えています。

去年までは会長が男性だったのですが、私に替わってから女子の参加が増えてきたのが嬉しいです。新しく参加した人が仲良くなってくれるとやりがいを感じます。卒業生が東京で集まったり韓国で集まったりもしているので、細く長く繋がっていけたらと思います。

留学生会会長の活動とは別に、今年の2月と8月には政策科学部 勝村 誠先生のゼミ生が中心となっている自主ゼミ「東アジア人権キャンプ」のフィールドワークに参加しました。このプログラムには日・中・韓の大学から120人ほどが参加し、テーマから訪問場所まですべてを学生自身が企画します。私も企画会議でアイディアを出したり、通訳や翻訳を担当したりしました。
     

今年は核問題がテーマだったので、2月は釜山で原子力発電所を見学し、8月には広島を訪れました。フィールドワークやディスカッションを通じて、さまざまな価値観を知ることができました。たとえば本を読んでもそれは誰かの主観で書かれたものですが、このプログラムでは教科書で学べないことを学んだという実感がありました。日本人の学生から、「自分たちは歴史問題の知識がなさすぎる」という話をよく聞きましたが、プログラムに参加して、お互いに隣の国の歴史と現在に興味を持つようになりました。歴史問題は、微妙な問題だからこそ実際に会って直接話すことが大切だと感じます。日本人とか韓国人という意識が薄くなり、アジア人・地球人という感覚が身についてきたと思います。

学生同士で話していると、○○したいけどどうしよう、と二の足を踏む人が多いように感じます。私もはじめは乗り気ではなかったけれど、やってみたらネットワークが広がってよかったということがありました。人数が集まれば、一人ではできないアイディアも実現できるようになります。積極的に情報を集めて、動いてみてほしいと思います。