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716 -  美しいクリオン島を通じてハンセン病の差別をなくしたい

美しいクリオン島を通じてハンセン病の差別をなくしたい

金原 遥さん(産業社会学部4回生)

  • No.716
  • 2015年4月27日更新
国際協力に興味があり、1回生でフィリピンのギマラス島でホームビジネスの創出に取り組む、国際交流団体BEPPINEに加入した。2014年2月、BEPPINEの活動以外にもフィリピンの台風災害支援のボランティアに参加するためクリオン島を訪れた。透き通った海、澄んだ空気と夕日がきれいなクリオン島には豊かな自然が残っている。そんなクリオン島は、1906年からハンセン病療養所が開設され、1934年には患者数が6500人にものぼった世界最大のハンセン病隔離島であった。1964年に解放法令が採択されて以来、患者や回復者、その子孫や親類らが島で暮らしている。クリオン島でのボランティアの活動は、手足が不自由なハンセン病の患者や回復者の家屋の修繕。家を訪問するたびに回復者の方から「どういう人生だったのか」「どんな差別を受けてきたのか」という話をうかがったり、一緒に作業を行ったハンセン病患者子孫の青年や住民のみなさんとの交流を通じて、彼らが受けた理不尽な差別への悔しいさが膨らんでいく。



差別に対する強い問題意識が生まれ、問題を自分ごとに感じた金原さんは、日本の学生のみんなにハンセン病の正しい情報とハンセン病患者の差別について伝えたいと考えるように。帰国後、友人たちに現地での経験を語って伝えていくものの、“伝える”、それしかできないという無力感が込み上げてきた。「もっと、多くの人に伝えたい」その想いで考えたのが写真展だった。2014年9月、2015年3月と2度にわたりクリオン島へ渡り、回復者や島民に写真撮影や取材を行った。ただ取材を進めていくうちに“話を聞くのが嫌になってしまった”という。「あなたのライフストーリーを教えてください」初対面の自分が回復者の気持ちに土足で入り込んでいる気になってしまったそうだ。「現地の方々は人当たりがよく優しいので初対面であっても、なんでも話してはくれます。けれども、私のなかで出会ったばかりの関係で話を聞き出すことに違和感が生まれ、その人の本音を聞くには関係性ができていなければ、聞き出せないのではないかと感じたのです。」BRPPINEでの経験を生かし、自分自身のこともさらけ出して接することで彼らと打ち解けていけたという。2回の滞在で約60名の島民に話を聞き、撮影した写真は約2000枚にのぼった。



取材中には島民の家にホームステイをしたりパーティーやセレモニーなど地域の行事にも参加した。「島の方が島内を案内してくれたり、さまざまな人に引き合わせてくれてとても助かりました。」最初はハンセン病の差別撲滅を目的として取材を始めたが、自然の美しさや人々の温かさを知っていくにつれ、クリオン島の魅力を伝えたいという想いが膨らんでいく。「島は悲しい過去を背負っているという先入観がありました。けれど、島の人々は明るくて、多くの人々がハンセン病を前向きに捉えていました。そしてなによりもクリオン島が素敵な島であることにきづいたので、先入観をもたずに本質を見なくてはいけないということが分かってきました。きっとそういった先入観から差別が生まれるのだと思います。」クリオン島での活動を通じて今まで以上にフィリピンの人々、クリオン島や島の人々が好きになった金原さん。彼らの助けの上で活動ができたものの、写真展を開催するため、一人で行動を起こして実行したこと、実現できたことは自信にも繋がったという。

ある回復者が笑顔で語った「どんなつらいことがあっても乗り越えられるよ。私もハンセン病をのりこえたのだから。」ハンセン病を深刻に考えずに、人がもつ力やたくましさを感じられるクリオン島に気軽にきてほしい。写真展に飾られる写真と文章には島民と金原さんの想いが詰まっている。


【写真展のお知らせ】


絶望の島から希望の島へ「クリオン島」
-ハンセン病と差別の中に生きる人々-

開催期間:4月19日(日)~5月24日(日)※休館日(月曜日・祝日の翌日)
開館時間:9時30分から16時30分(入館は16時まで)
会  場:立命館大学国際平和ミュージアム2階ミニ企画展示室
見学資料費:大人400円、中学生300円、小学生200円
※立命館の児童、生徒、学生、教職員は無料

立命館大学国際平和ミュージアムWEBサイト
https://www.ritsumei.ac.jp/mng/er/wp-museum/event/mini/2015/150305/mini_93th.html



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