立命館大学
[特集]学園ビジョン・新中期計画R2020

学園ビジョン・新中期計画R2020|2020年の立命館はどうあるべきか。 今とつながる、未来の立命館を、みんなで語ろう。

新中期計画R2020 のめざすものとは?  学

川口総長からのメッセージ

   
立命館総長

川口清史

 今、私たちがめざそうとしていることは、2020年以降を見つめた立命館のビジョンと計画をつくりあげることです。そしてそのことは現在、閉塞状況にあるといっていい日本の教育のありように新しい方向性と希望をもたらすことにもなるであろうと、私は大きな期待をもっています。

 

 立命館学園の教育は、学生・生徒・児童が、立命館で学んでよかったという実感を持ち、一人ひとりの成長する姿を通して、成果をはっきり示せるものでありたいと思います。そのことを可能にする「場」、文化や言語や年齢などさまざまな境界を越えて立命館に集う人びとと多様に学びあい高めあう「場」、それが立命館学園の「ラーニング・コミュニティ」です。まさに、それこそが学園ビジョンとして掲げられている「Creating a Future Beyond Borders 自分を超える、未来をつくる。」がめざす立命館学園の教育像なのです。

 

 今回の学園ビジョン・新中期計画R2020の全学園に共通した核心は、一言で表現すれば「質の向上」であるということができます。これは総長としての揺るぎない信念です。学園のあらゆる分野における質の向上をめざすことによって、私たちはこれまで築いてきた総合学園をさらなる高みへと押し上げることができるでしょう。

 

そのためにはまず、教育・研究の質向上です。
 立命館大学、立命館アジア太平洋大学、各附属高校が現在すすめている改革を推進し、そのことを学園全体の課題として位置づけることで、限界や制約を乗り越える有効な政策を導き出すことです。今般、立命館大学で開始された「教学改革のガイドライン」議論はその大きな契機となるはずです。「ラーニング・コミュニティ」の構築をキーコンセプトに、正課、自主的活動、学生参加など立命館ならではの多様な学びの質を高めることによって、学生・生徒・児童の成長と進路を保証するカリキュラムや仕組みの創造を、新しい意義深い取り組みにしなければなりません。

 

さらに、キャンパス創造です。
 この課題では、特に衣笠キャンパスをはじめ現状の実態や今後の見通しがきわめて深刻な立命館大学のキャンパス問題について集中した検討をしなければなりません。また、立命館大学では人間系の教学、社系教学の高度化展開など教学の刷新のとりくみが連続的に行われることになっており、このこととも併せて衣笠・BKC両キャンパスコンセプトを再整理しつつ、さらに新たなキャンパスの展開も視野にいれた検討が課題となってきています。

 

 立命館大学のみならず、学園全体としても、学習スペースのあり方を含む学びの空間の拡充、「ラーニング・コモンズ」としての学習図書館、研究スペースの改善など教育・研究・業務の質も向上、学生・生徒・児童の学習、課外自主的諸活動、アメニティの向上を太い軸として貫きながら検討することです。